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番外編 花畑薫は見た

「さて……まずは小夜先輩が来るまでにホール前にある程度の荷物を外に出しておくぞ」


 俺は鉄に連れられ、多目的ホールへ。


「先輩って言うんだから、能力検査をしてた人は知り合いなんだな。重要な物を勝手に持ち運んだら怒られるだろ。そいつはホールにはいないのかよ」


 重要書類や検査した女子達のデータとか、一生徒が見てしまった場合はどうするんだ? わざわざ覗く趣味はないが、本人がいない時したら駄目だろ。


「小夜先輩とは高校からの付き合いだ。今は遅めの昼食を食堂で食べてるな。私達が持ち運ぶ物には印がついてるから、そこは大丈夫だ。盗み見なんてしても、私達が理解出来るような物でもないだろ。それとも、花畑は女の子の唾液を盗む変態なのか?」


「そんな汚い物なんかいらねぇよ!!」


 そもそも、そんなの手に入れてどうするんだよ!! 有野でも欲しいとは思わないはずだ。盗まない事が分かっての台詞なんだろうが……


「……っと、そういえば、食堂に白衣を着た人がいたなとは思ったが……あのヤバい奴の事か?」


 白衣を着ていたから? 美人だから? 見知らぬ奴だったから印象に残ったわけじゃない。食べる量が尋常じゃなかった。白衣を着たフードファイターがそこにいたんだからな。しかも、バキュームの如く、口の中に次々と吸い込まれていく様は凄まじい物だった。何人かはアレを見て、立ち止まっていたぐらいだ。


「ああ……アレを見たのか。小夜先輩は飲み物は別として、基本一日一食で済ますんだよ。その分、一食は馬鹿みたいに食べる。三回に分けるのは効率が悪いらしいが、体に悪いから真似しないように」


「真似なんか出来るか。あれを見て、食欲を失せたぐらいだからな」


 俺と鉄はくだらない話をしながら、多目的ホールの放送室から荷物を外に運んでいく。確かに荷物となる段ボールにはシンプルに○✕が書いてあり、分かりやすく、整理もされていて、運びやすかった。そして、○の荷物を全部外に出した時ぐらいに、あの化物……小夜先輩?が到着。


 少し遅れてきた事で、鉄は彼女を注意していた。俺はそれよりも、小夜先輩とやらが連れて来た奴の方が問題だった。


「ちっ!! 自ら立候補した手前、それを断るのも駄目だからな。それに……なんで、叶なんだよ」


 どうして、有野の仲間達がこうも絡んでくるんだ? 有野は当然として、委員では井上で、今回は叶かよ。


 それでも叶はまともな奴で、有野に被害を受けてる事も多いはず。酷い話、始業式の時でも俺に同情してる部分もありそうだから、あまり絡んでくる事はないか。


「紗季相手じゃないんだから、舌打ちとか止めてよね」


「げっ!! 花畑君って……ロリなわけ?」


 前言撤回。やっぱり、有野の仲間だ。

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