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先輩後輩らしい

「小夜先輩!! 来るのが遅いですよ。こっちは助っ人を連れて来たんですから……って、叶? 小夜先輩に連れて来られたのか?」


 多目的ホールの入口付近にいくつかの段ボールと荷物があって、そこにはいたのは白先生と……花畑君だ。白先生が小夜と呼んでいるのは、小鳥遊先生の事みたい。


「最初に来てくれた生徒でもあるし、何だか気に入りました。それで……この男子生徒は?」


「花畑です。クラスで一番力があるし、片付けも美化委員の仕事だ」


「ちっ!! 自ら立候補した手前、それを断るのも駄目だからな。それに……なんで、叶なんだよ」


 花畑君は照れてるみたいに、そっぽを向ける。そういう態度がヒロインみたいなのよね。噂と違って、優しいところもあるのもポイントが高いけど、私を嫌そうな目で見るのは止めて欲しいわ。紗季とは違って、庇ってる方ではあるんだから。


「紗季相手じゃないんだから、舌打ちとか止めてよね」


「……いや、友達なら舌打ちされてもいいのかよ」


「そういえば、白先生と小鳥遊先生は知り合いなんですか? 能力検査の時も白先生に突っ込める人がいるなと思ってたら、あんな姿だったし」


「その否定もなしで、話題を変えるのか!?」


 花畑君って、意外とノリがいい? これも紗季が気に入ってる理由の一つかも……


「小夜先輩は高校からの付き合いだな。言っておくが、ああ見えても、私よりも……強いから注意しろよ」


「強いなんて……昔の話ですよ。今は研究に没頭する身だし、余計な事で生徒が近寄らなくなったらどうするんですか?」


「……そういうところですよ、先輩。それぐらい軽くいなしてください。圧が凄いですから」


 小鳥遊先生が実は怖いとかは何となく……紗季を放送室から追い出した時点で分かってたかも。あの時は白先生は離れてたから……


「それにしても、小夜先輩自身が能力者だなんて。子供の姿だとは思わず、驚きました」


「……へぇ~。アンタって能力者なんだな。俺達ぐらいの年代だけじゃないのか」


「稀かもしれませんがね。気になるのなら、後で子供の姿になっても構いませんよ。協力してもらう御礼です」


「げっ!! 花畑君って……ロリなわけ?」


「子供ってところを拾うな!! これだから、有野の仲間は……純粋に能力の事が知りたかったんだよ。年上の女性だけじゃなく……男も所持しているのか」


 悪ノリしたのは悪いかったけど、花畑君も能力なんて興味があるなんてね。男はそういうのに憧れるのかも。


「それと能力による対策もだな。有野が何を企んでるかは知らないが」


 ああ……悟が同じ美化委員になったからね。花畑君も透視能力の事を知ってるわけで、紗季が悟に美化委員に薦めたとでも思ってるかも。


「あれは悟……井上さんの独断だからね。まぁ……紗季が変な頼みをする可能性は0ではないけど」


「……そこは叶が止めてくれ」


 花畑君は本当に嫌そうな顔してるけど、すでに悟に見られてる気はするんだけど……そこは黙っておこう。

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