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逃れられない運命


「ふふふ……やってくれるわね。そんな手で逃れるなんて。この展開もネタにはなるか」


 紗季は汚い笑みを浮かべながら、そんな事を口にしてる。花畑君に逃げられはしたけど、その手段は漫画のネタになったからOKみたい。


「噂の彼も漫画のネタにするなんて、紗季は凄いわね。あっちの方が逃げてるみたいだし」


 悟は呆れじゃなく、純粋に感心してるけど……多分、紗季は弱味を握ってるからだと思うから、逃げるのは当然かと……


「薫は漫画のヒロインポジだからな。ちょっとした出来事でも脳内変換すればネタになる」


「それは良いとして、花畑君には上手く逃げられたけど、くじ引きの運任せにするわけ?」


 出来れば、私以外の誰かを選んでくれ。他に漫画のネタになりそうな奴は……悟が言ってた男子……は流石に駄目か。誰なのか聞くのも嫌だし、顔よりも下を見てしまいそうで……


「新キャラを多く増やせばいいわけじゃないからな。その分、他の印象が薄くなるのも駄目だろ?」


「登場するなら少しは目立ちたいかも」


 いや、紗季が悟を卑……お色気担当にするのを諦めてないなら、Eキャラが目立たないわけがない。


「おいおい……LHR中だぞ。一番前の席でコソコソ話は流石に駄目だろ。反省のため、叶も学祭実行に決定だな」


「へっ……ちょっと待って。コソコソ話は悪い事だけど、決定するのは駄目かと!! くじ引きでいいんじゃないですか!!」


 私だけが悪いわけじゃないのに。紗季や悟も同罪なのにこの仕打ちは何? まさか……白先生は最初からそのつもりだった……紗季の推薦も私を選ぶと予想して!? まさか、花畑君を指定するとは思わなかったけど、そこは美化委員になってくれたから……ニヤっと白先生の口が笑ってるんだけど!!


「なら……私は立候補していいですか!! 美化委員で!!」


 このタイミングで悟が美化委員に立候補!? 周りの目が気になるから止めていたと思ったけど……


「紗季が漫画のキャラにする人だから気になるし……誰もやらないなら引き受けた方がいいかな? って」


 花畑君の漫画キャラはともかく、クラスの子達と印象を少しでも良くするための行動なら、裏切り者なんて言えないじゃない!!


「井上も委員に入ったな。学祭実行が嫌なら、HR委員……体育委員でも構わないぞ。さぁ!! 選ぶといい」


 白先生の言い方がまるで悪役、魔王に感じる。HR委員は拘束時間長そうだし、バイトにも影響ありそう……


 体育委員は……若杉が全力で頷いてるのを見ると……キモいから却下。


「……学祭実行委員で」


 こうなると学祭実行しかないでしょ。


「情報料は高くしておくからな」


 紗季は私が学祭実行になった事より、悟に花畑君の委員ぶりの情報提供の任務を与える方が重要なのかよ!!

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