委員会決めます
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「さて!! 身体、体育測定が終わったところで、次は委員を決めるぞ。その後は教科書を取りに行けば、今日は終わりだ」
午前の測定が終わって、今は午後のLHR。授業というより、クラスの話し合いみたいなもの。
紗季が放送室から追い出された後だけど、悟は無事に能力検査を何事なく終えて、放送室には何人かの女子も入っていくのが身体検査をしてる間にも見えた。
ちなみに私達の身体検査の結果は、私が百五十五センチ、紗季が百五十三、悟が百四十五センチ。私と紗季は同じぐ、いの身長で、悟が少し低い。体重は……内緒だ。胸は紗季がA、私がB、悟がE……身長が一番低い事もあって、圧倒的存在感があるのも頷けたわ。
「早く決まれば、その分早く帰れる。簡単な事だな。立候補がいれば尚楽チンだぞ」
委員会はHR、風紀、美化、放送、図書、体育、学祭実行で各二名ずつ。体育委員だけが男女一名ずつ必要になってるんだけど、率先して委員会に入る生徒はなかなかいないわけ。
図書、放送は意外と人気があって、立候補者もいるんだけどね。勿論、私や紗季、悟も立候補なんかしない。
悟は能力者だと暴露して、友達が距離を取ったから、一緒になるのを避けてるかもしれないけど。
紗季に関しては月刊誌の漫画家だから……じゃなくて、すでに決定してるというか……
「有野は学祭実行委員で決定している。これは前回迷惑をかけた事もあるし、拘束する事も出来るからな」
紗季は去年、新聞部並みに突撃取材をして、色んなクラス、クラブに迷惑をかけていたから。しかも、今日も小鳥遊さんの能力検査に再度突入を試みた事での、ある意味紗季自身が蒔いた種。断れば、漫画家を辞めさせられる可能性もあるので、拒否する事は無理。
「ふっ……舞台裏を知るのも良い経験だ」
負け犬の遠吠え……とまではいかないか。本当はHRと学祭実行の二択にされて、こっちを選んだみたいだから。
「有野もパートナーとして相手を推薦しても良いぞ。それぐらいは許さないとな」
白先生なりの優しさが、私は戦々恐々させる。可能性が高いのは私でしょ!? 白先生も若干私の方を見てる気がする。面白いというよりも、面倒臭さが勝つから。
「本当か? なら、花畑薫を推薦するぞ」
「……はっ!?」
紗季の選んだ相手に周囲も驚いてるけど、一番驚愕しているのは花畑君だ。見た目は怖く、色んな噂があるんだけど、紗季にとってはお気に入りのキャラだ。しかも、弱味を握ってるのか、花畑君も紗季に強く言い出せない感じ。
「花畑だな。指名されたけど、どうするんだ?」
花畑君は凄く嫌そうな顔をしてる。面接なのは目に見えてるから……けど、他の誰でもなく、紗季に推薦されたから、断るのは無理?