表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/245

真面目なお話みたいです

「ふむ……誰も中に入らないみたいだな」


 放送室をチラチラみる女子達はいるけど、誰も中に入ろうとしない。強制でもないし、一番最初に入るのには流石に勇気が必要かも。


「能力者だと調べる事でもあるからな。怖がらず、協力するべきだぞ。私が一番最初に入ってやろう」


 流石というべきか、白先生は見本として、放送室の中に入った。放送室は防音なので、中の人達の声は聞こえず、そこも安心出来る。


「白先生の視線がない、今がチャンス!? ……なのに、スケッチブックがないからな。胸囲の図るところを横から眺める……いたっ!!」


 白先生がいない事で、紗季は自由に動こうするのを止めておく。そんなのはすぐにバレる事だし……


「それぐらい大目に見ても……って、はやっ!!」


 紗季が驚いたのも当然。白先生が入って、ものの数分で出てきたんだから。


「スマンスマン。教師は駄目らしい。軽く説明したが、飲み過ぎだと片付けられてしまった。だが、全然怖くないから安心しろ」


 白先生の話を聞いたら、意識を失ったのは飲み過ぎだと誰でも思う。それを聞かされる相手はどんな顔をしたのやら……


「次は叶が行ってみよう。井上は能力者だからな。普通の人が先に行けば、後から他の生徒も行きやすい」


 紗季は普通の生徒に含まれないのか……と、ツッコミを入れるのは置いといて、まさかのトップバッターに選ばれるなんて。周りの生徒も見てるから、今更断るのも無理そうだし。


「わ、分かりました。行けばいいんでしょ」


「健闘を祈っているぞ!!」


 私は紗季の余計な一言を受けながらも、渋々放送室の中に入った。


「おっ……今度はちゃんと生徒が入ってきましたね。いきなりジャージ姿の先生が来た時に驚きましたから」


「……ドッキリというわけじゃないですよね?」


 放送室にいたのは白衣を着たロリ……というか、小学生みたいな女の子。


「勿論。担当の小鳥遊(たかなし)です。私も能力者の一人で、若返りの力を持っています。その方が説得力がありますし、話やすいでしょうから」


 若返り……ある意味私と逆パターン? いや、私の場合は性別も変わってるから、似た力かな? 


「能力については私達もまだまだ未知で、皆様の協力を必要としています。どんな能力があり、その発動条件。能力者の体に共通する部分があるのか。研究次第では能力を移動させてり、消す事も出来れば嬉しいのですが」


 能力を消す!? それは欲しいかもしれない。


「ちなみに先程も言いましたが、私の能力は【若返り】……子供の姿に戻る事。発動条件は牛乳を飲む事で、解除方法はコーヒーを飲む事ですね」


 能力や発動方法もきちんと説明してくれる。私の【変身】とは違い、時間経過による解除だけじゃない事も分かった。


「その解除を見せても良いんですけど、生徒一人一人の前ですると、流石にお腹が……体に悪いので、スマホにある写真を見せますね」


 まぁ……牛乳とコーヒーを何度も飲んだら、お腹がヤバい状態にはなるわ。


 それと小鳥遊さんが見せてきたスマホの写真には、眼鏡を掛けた女性が映っている。雰囲気もそうだが、小鳥遊さんの面影が残っている……というか、よく見れば、額にある黒子(ほくろ)の位置が一緒なので間違いない。


黒子(ほくろ)も位置も一緒だし、納得……」


「ありがとうございます。まずは貴女の名前をお願いします。そして、能力者であるのかを教えてください」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ