言質は取ったか!!
「何よそれ……痴女なんて言葉を本当に使うんだね。それはお色気担当って事? 身体測定で全部脱げばいい感じ?」
普通は怒ってもいいのに、悟は満更でもないように笑ってるし。私も含めて殆どが嫌々モデルになってるけど、悟はそうでもないから?
「そんなの許すわけがないだろ。行動に起こした場合、有野は停学扱い。漫画も禁止にするぞ」
白先生がそれを許すわけもないよね。紗季が漫画家として活動しているのは、学校に許可を得ているのもあるし、紗季の両親も学校を辞めない事が条件で許しているらしいから。
「じょ、冗談だよ。流石に脱がすまではしないさ。第二候補として、運動が得意なキャラも考えておくし」
第二候補と言ってる時点で、第一候補は消したわけじゃない。まぁ……それを上手く誤魔化すのは難しい話なんだけど……
「もしかして、鉄先生も漫画に登場したりしてるの?」
悟はコソコソと私に聞いてくる。
「いや……なってないけど。下手したら、漫画を書くのが禁止にされそうだし。本当は白先生を描きたいとは思ってるかもね」
白先生をモデルにしたら、そのまま使えると思う。それは紗季だけでなく、みんながそう思うんじゃないかな? 生徒達からも愛されているし。
「ん……私が漫画のキャラにか? 別に構わないんぞ。疚しいところはないし、生徒のためにもなるんだからな。読んでみると、そこそこ面白い」
学校が紗季の漫画家を許可してる分、白先生も読んでくれてるみたいだ。そこそこでも面白いと言われたら、紗季も嬉しいんじゃないかな?
「言質は!! 言質は取ったの!? 後から却下するのはなしだから」
漫画は面白いと褒めてくれてるのに、紗季にとっては白先生がモデルになる事を許可した方が重要らしい。
「そんな事はしないぞ。けど、痴女とか、学生らしからぬ漫画になったら、駄目だからな」
「了解了解!! これで新しいキャラを二人GET。漫画の方も学年を上げるべきだな」
紗季の漫画の主人公は高校一年。ずっと同じ学年、○○時空を続けるのもありだけど、二年生にする事で新キャラと能力者が出しやすくなるかも。
紗季がその事で頭が一杯の間に身体測定が進めば、何の問題もなく終われるんだけど……
「そういえば……女子の身体検査で新たな項目が増えたぞ。能力者なのかを調べるとかなんとか? どんなのかは私も知らないがな」
ちょっと待って!! 最近の話なのに、能力者だと診断出来る方法があるわけ? それをみんなの前で知られたら……滅茶苦茶ピンチでしょ……