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測定はじめます


「女子の諸君、喜べ。我がクラスは午前中、体育測定の後に身体測定を勝ち取った。午後にお腹を鳴らさずに済むぞ」


 白先生の朝のSHRでの最初の言葉だ。というのも、二日目からすぐに授業が始まるわけではなく、体育測定、身体測定を学年、クラスで順々に行っていく事になっている。待機の間は委員を決めたり、教科書の配布等で時間を取る事になっているわけ。


 女子は体重に一喜一憂するからね。朝御飯を抜く子達が多いわけだし。それが午後になろうものなら……教室で多数のお腹が鳴り響くかもしれなかったわけで……私と紗季はそこらへんは全然気にしないんだけど。なんせ、昨日は【ケーキング】でケーキを食べたぐらいだから。


「有野も今日はちゃんと来たな。だが、測定中のスケッチは許さないから注意しておけよ」


 紗季は漫画の修正も終わってる事もあり、ちゃんと学校に来ている。紗季が身体測定をする女子達をスケッチするなんて……去年試みようとして失敗してるんだよね。その時も白先生がスケッチブックを奪った形だったのを覚えている。


「体育測定も駄目?」


「それも駄目だ。お前の事だから、反復横飛びの胸の揺れが目的なのだろ?」


 白先生だから許される言葉だよね。普通、男子とかが言ったら、セクハラだから。紗季も図星みたいな顔をしてるし、コントみたいになるのよ。


「有野だけは着替えた後に持ち物検査をしようか? それとも私とマンツーマンの検査をするのもありだが」


「それはそれで面白そうだけど……止めとく。体育検査で疲れるのが目に浮かぶし」


『まだまだ行けるぞ!!』『もっと熱くなれよ!!』とまではいかなくても、白先生なら声援を送りそうだからな。やる身としては気が削がれそうだわ。


「よし、それでは着替えに行くぞ。女子達は私が、男子達は一組、三組の先生に任せる」


 二年は全六クラス。去年同様半分ずつ測定をやるみたい。男子の方に先生二人つくのは覗き防止のため……じゃない。危険分子はこちらにもいるわけだし。


 私達は白先生に連れられ、更衣室に移動。白先生も流石に紗季を監視するまではしない。今のところ、紗季が大人しくしているのもある……いや、チラチラと井上さんを見ているかも。


「のろのろと着替えるなよ。待っているクラスがあるんだからな」


 白先生も流石に更衣室の中まで入ってこない。紗季を信用してる……というわけでもない。


「紗季も着替えのシーンなんて体育の時とか、見る機会が多いのに、身体測定とかに興味を示すよね」


「測定は年に一回。緊張感もあるし、医者が胸にメジャーを回すところなんて……グヒヒヒ」


 なわけだ。普通の着替えに関しては紗季も見飽きているから。それが水着回になったら別かもしれないけど……

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