表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

201/245

番外編 花畑家の新たな家族

「いやいや!! 飼うつもりは最初からないぞ。コイツの声が俺しか聞こえなかったから、飼い主探しを手伝っただけで」


「……待ってください。彼女は何者!? いえ……貴女こそが本物の勇者なのですか!!」


 ネコも俺と母さんの姿にチンプンカンプンになっている。


「勇者? 私は薫のお母さんですよ。犬さんのお名前は?」


「犬ではなく、魔狼(まろう)……(おおかみ)のネコと申します……ではなく、貴方の母上!? 逆らえない感じがするのは」


 ネコは母さんの質問にすぐ答えたのには強制力があったのか? 母さんは能力者じゃないはずだぞ。


「魔狼のネコちゃん? 普通の犬じゃないのね。【妖怪の森】にも出てきそうじゃない。知ってるような感じがするのもそれかしら? もしかして……ネコちゃんが誕生日プレゼントだったりするの?」


 母さんの誕生日は明後日だけど、前回のコスプレ服みたいに勘違いしてるぞ……って、『知ってるような感じがする』というのは【妖怪の森】じゃなかったら……


 俺がオバサンに【変身】出来るのは、乙女座流星群の光を受けたからなんだが、あの時は母さんが近くにいたんだよな。あの光が勇者と似た体に入るつもりが、俺と母さんを間違って、中に入った可能性があるんじゃないか?


「プレゼント? 贈られた事は確かですが、あの時が誕生日だったかは……」


「うぅ……そんなの捨てられるわけないじゃない。ここは大家さんを説得するしかないわ。アパートの番犬にして貰いましょう」


 魔王が勇者にネコを贈ったのかもしれないが、俺が母さんに誕生日プレゼントとして贈ったわけじゃない。ネコが母さんを勘違いするように言ったわけじゃなく、母さんが自爆したわけだが……


「……仕方ないか。俺達と一緒に来てもいいけど、五月蝿(うるさ)くするなよ。俺や母さんの命令は絶対だからな」


 勇者や魔王の事なんて放置したいところだが、俺の目の届かないところで、母さんに迷惑を掛けるかもしれないからな。勿論、俺を巻き込むのも止めて欲しいところだけど……


「ありがとうございます。今は二人が主という事で。それも追々と調べていきますが、魔王様の事も協力お願いします」


「礼儀正しいわね。もっと可愛い感じでもいいんだよ」


「ぎはっ!!」


 ネコは頭を下げると、母さんは可愛さのあまりに強く抱き締めた。その力強さにネコの意識が飛びそうになってるけど、俺もネコを抱き締めて……みたくはないんだからな!!


 こうして、俺の家に新たな住人? チワワのネコが住むようになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ