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取り敢えず、若杉を殴ろうか

「それなら、僕も占い師に女性と間違えられたりは……」


「しないでしょ!! 何を張り合ってるんだか……漫画のネタにして欲しいだけだよね?」


「……そういう事にしておこうかな」


 店長が花畑君に対抗する意味が分からないんだけど……実は若杉の運命の相手は……店長? なわけないでしょ。きっと、紗季に迷惑を掛けたから、ネタに走りすぎただけよね? 最後の言葉が不気味過ぎるんだけど!!


「は、話を戻すぞ。占い師は花畑を占ってみたいらしく、興味を引く言葉を投げたのかも。それに俺達は引っ掛かり、無料で占って貰ったわけだ」


「……花畑君が無料なのは分かるけど、アンタは無理矢理無料にさせたんじゃないの?」


 占い師は若杉を占う理由はないからね。若杉が駄々を捏ねて占わせたとしたら、酷い結果を教えても仕方ないと思うけど……


「いや……だって、花畑ばかり特別扱いされるのは癪だろ? 俺もそれに乗っかりたかったんだよ」


 特別扱い? まさか……花畑君が雪見や響鬼先輩、姿見先輩に話し掛けられた事を言ってるんじゃないよね? いや、そんな気がする。


「そんな引いた顔をするなよ。アイツの占いはマジで凄かったんだから。心当たりあるというか、胸に刺さる言葉を投げつけてくるんだよ。恋占いするのも当てたからな。婆さんの声してたから、能力者なのかと疑ったぐらいだ」


「流石にそれだけで能力者というのは……」


 若杉の思考は簡単に読めそうな感じだから。適当に言っても当たるんじゃないの? それに占い師はそういうのが仕事であって、それだけで能力というのはちょっと……


「なら、花畑君の占いの結果はどうだったわけ? 占い師は花畑君を占いたかったんだよね?」


 これは花畑君の情報を知るチャンスなのでは? これは雪見のためにもなるし、紗季には……内緒にしておくべきかな?


「……まさか、叶も花畑の事を」


「なわけないでしょ。ゆ……紗季の漫画のネタになるかもしれないし」


「有野だったら許してくれるか」


 若杉はホッとした顔をしたけど、花畑君的には紗季に内容が知られる方が嫌だと思う。けど、雪見の名前を出したら、話してくれなさそうだったから仕方がないよね。


「花畑の占いは……気絶してたから、分からない」


「……はっ?」


「だから!! 花畑に殴られて、気絶してたんだよ」


 思わせ振りな態度を取って、内容を聴いてない? 若杉の腫れた頬を殴ってもいいんじゃないの?


「ま、待て待て。花畑からは軽く聞いてるから。拳は下ろしてくれよ」


「それで……どんな事だったわけ?」


「女難……花畑が女に見えたのは、女難が強すぎたかららしい。それが現在進行中とか、羨ましい話だよ」


「女難!?」


 女難って……紗季の事だけじゃなくて、花畑君と雪見を付き合うようにする事を言ってる気がするんだけど……


「後は……俺が目を覚ました時には占い師は消えていて、花畑は占い師がいたのかを聞いてきたな? 一度目を離した時に消えたらしいぞ。能力者だと思うだろ?」


 目の前から消えた? それは能力者かもしれないけど、二つも能力を持った人はいるわけ? そこも気になるけど、今は花畑君の事だ。


「いらっしゃいませ。お客様が来たから、話はそこまでね」


 と、今はバイトの時間。占いの事は直接花畑君に聞いてみるのもありかも。 

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