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番外編 花畑薫は勇者である?

「分かりました。では、占わせて貰います」


 占い師は若杉の時とは違って、水晶に手を翳した。占い内容は彼女の中ですでに決まっていたのかもしれない。


「……女難がこの先も続きます。これを幸、不幸、どちらと捉えるかは貴方次第です」


 女難!? 確かに有野以外にも、同級生問わず先輩後輩と厄介な事があった。それがこの先も続くのか!! 


「最悪だ……じゃないだろ!! 俺を『彼女』と呼んだ事とか、『稀な気』に関して、占うはずだろ?」


「そのつもりだったのですが、予想外に貴方の未来に影響を与えるようなので……」


「ちょっと待った!! もしかして、女難の相が大きすぎて、俺を女子と間違ったなんて事はないよな」


 占い師の話的に不可避なような感じがするのは……気のせいじゃないよな? それ程に有野達の影響力が強い気がする。


「それは違います。この先、女難が影響を与えるかもしれませんが」


 それは……有野達に【変身】がバレるかもしれないって事か?


「それよりも……本題に入ります。貴方の体には魂が二つ入っているのではないでしょうか? 勿論、一つは貴方の魂。もう一つは……大人の女性の魂です」


「魂!? 【変身】するとかじゃなくて?」


 思わず、【変身】という言葉を使ってしまったぞ。魂という事は、俺以外の意識も体に宿ってるという事か? そんな感覚は全くないし、【変身】後でもそれは変わらないぞ。


「体が入れ替わる事があるという事ですね。女性達が様々な能力を手に入れる中、貴方だけが特別なのか……」


 占い師もそこまでは分かってないらしいけど、俺の【変身】した姿は母さんに似てるわけで、魂なんて関係あるとは思えないぞ。更に言えば、何故オバサンの魂なんかが、俺の中に入るんだ? 


「その魂は……勇者であり……魔王を追うため、ここにたどり着いた」


「勇者に魔王!? こんな世の中になったが、流石にそれは嘘っぱちだろ」


 勇者に魔王……漫画やラノベの読みすぎなのでは? 能力が発生したのは魔王の仕業とでも言いたいのか? 勇者がオバサンというのも斬新なアイデアぐらいにしか思えないぞ。


「若杉もそう思わないか? ……こら!! 汚いから止めておけ」


 若杉の意識はまだ戻ってなく、小学生達に木の枝でツンツンされていた。ここは道端であり、いつの間にか周囲に人達が増えている。


「普通の占いとしては当たってる部分も……はっ? ちょっと待て」


 俺が若杉の方に目を向けてる間に、占い師はその場所から消えている。水晶や机、何もかもだ。


「君達……ここに怪しい奴はいなかったか?」


 俺の言葉を無視して、若杉にツンツンし続ける小学生達に聞いてみた。


「オジサン二人しかいなかったよ」


 俺達はオジサンじゃないんだが……小学生達は占い師がいた事に気付いてなかった。という事は、占い師も能力者だった? 俺達に対して、色々当てられたのも……いや、この場所から消えたのがおかしいわけで……

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