表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

183/245

番外編 花畑薫は更に勘違いをする

「姿見先輩と猪狩……先輩が知り合いなんて意外だな」


 いや……二人とも有野の繋がりで知り合った可能性もあるのか。アイツの行動力は半端ないからな。


「まぁ……普通に話せるようになったのも最近の話だけどね。響鬼はこっちで引き取るから、そっちはゆっくりすればいいよ」


 姿見先輩が猪狩を連れて行ってくれるのは助かる。一瞬、一緒の席で昼飯を食べるつもりなのかと思った。姿見先輩は購買部で買ったパンを二、三個持ってるのは猪狩の分のパンを入ってるのかもしれないな。


「こっちとしては助かるんだけど、あの質問は一体……」


「質問……響鬼が何か余計な事を言ったの?」


 姿見先輩は猪狩を軽く睨んだ後、どんな質問をしたのかを聞いてくる……って、何処かに行くんじゃなかったのよ!? 俺としては今の一言が余計だったわ。


「能力者をどう思うか? 例として色んな能力を言ってきたけど……」


 流石に女子がオッサンに【変身】するのは触れないでおこう。少しでも勘繰られる事は回避しなければ……


「はぁ……私と響鬼が能力者だから。誰かに聞いておきたかったのもあるんでしょ」


 突然の能力者だと告白するのか!? 俺に聞こえるぐらいの小さな声だったけど、それを言ってもいいのか? 


「おい!!」


「これは響鬼が悪い。君も他の人には黙っておくように。内緒にしている人もいるわけだからね」


「うっ……悪かった」


 猪狩が姿見先輩を怒ろうとした時点で、これは嘘じゃないんだろうな。けど、能力者をどう思うのか? なんて、聞くのは俺じゃなくても……


「もしかして、有野達と知り合ったのも、それ関連か?」


 能力者は漫画のネタになるからな。二人が能力者だと知られて、突撃されたのかも。井上ともすぐに仲良くなっていたしな。猪狩や姿見先輩も同じ感じか?


「有野? 漫画家の事だったら」


 有野が漫画家と知ってるのは仲が良い証拠……いや、俺は有野と仲が良いなんて事にはならないぞ。


「ああっ!? 花畑ばかりなんで……俺も先輩達と一緒に昼飯を食べてもいい感じですか!!」


 周囲の空気を読まない奴がもう一人……若杉がこの状況に割り込んできた。いや、俺の昼飯を持ってきてくれたんだから仕方がない。


「駄目に決まってるだろ。コイツの飯を置いて、消えろ。私達が喋ってるんだ」


 即座に拒否され、若杉は猪狩の圧によって、口をパクパクした状態に。俺の分の昼飯をテーブルに置いて、別の場所に移動してもおかしくないぞ。


「ちょっと……立ち去るのは私達の方だから。君は彼とご飯を食べればいい」


「おい!! まだ会話の途中で……」


 姿見先輩は席を立ち、猪狩を連れて行く。さりげなく、姿見先輩も若杉の誘いを断ったわけなんだが、二人が食堂から離れた後の雰囲気がシーンとなった。


「色々と詳しく話を聞かせて欲しいんだけど」


 若杉は涙目になって、さっきまで猪狩が座っていた席に着いた。猪狩の圧が余程怖かったのか?


「なんで、お前ばかり女子達と仲良くなれるんだよ!!」


 若杉の涙は単なる悔し涙のようだ……って、どうやったら、仲良くしてるように見えるんだよ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ