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ミッション インポッシブルS2

「蛍ちゃんを呼んで来ないと!!」


「ちょっと待った!! 私達がいる事は蛍に内緒だと言ったばかりだろ!!」


 紗季が素早く、弟店長を止めてくれた。というか、蛍じゃなくて、店長達がオッサンが好きなのをバラしたら駄目でしょ。


「でもでも……悟ちゃん達はいいわけ? 蛍ちゃんを好きな人に会わせるチャンスなのよ」


「それが普通だったら……じゃないから駄目なんです」


 蛍が惚れた相手がオッサン(私)じゃなかったら、私達も応援するけど……


「そういう事か……そこは知りたくなかったぞ。弟よ、彼女達……紗季を除いた、この二人は能力者だ」


 兄店長は状況を理解したみたい。兄店長は知りたくなかったと言ったけど、私も教えたくなかったんだから。


「そういえば、異世界とか言葉にしてたわね。けど、待って……紗季ちゃんを除いた二人よね? 悟ちゃんとオッサンしかいないわよ。まさか……」


 オッサンにオッサン呼ばわりされるのは嫌なんだけど、今更隠す事でもないか。


「そのまさかです。こんな姿をしてるけど、叶陣子なんですよね」


「蛍ちゃんの好きな相手が陣子ちゃんだったの!? 何で隠してるわけ? 応援してもいいのか、複雑な気持ちよ」


「応援するのはちょっと……こんな姿で惚れられるなんて誰も思いませんよ。【変身】の事ですら、隠したいんだから。今更、正体を明かす事も出来ないし。どうやって、諦めさせるかを考えてるぐらいです」


 恋愛相談された時に正体を明かせば……なんて、無理な話だったしね。


「蛍の気持ちも強くなってるからな。バレた時の反動も強そうだし。私でも漫画に出来ないぐらいだぞ」


 紗季も蛍の愛の重さが分かってるから、私が正体をバラす事に反対してくれるのよね。


「蛍ちゃんの情熱は私達でもヒリつくぐらいに感じ取れるわね。会わない選択肢はないと思うのだけど……」


 避けてばかりもいられないのは分かってるけど、そこは響鬼先輩や姿見先輩に相談するなり、新たな彼女代役を捜したりとか、考えてる事は沢山あって……


「って!! 蛍の事も重要なんだけど、今は異世界研究所の話を聞きにきたわけで」


 本人が隣の店にいるのに、蛍対策を考えるべきじゃないでしょ。もし、蛍がこっちに来た場合……


「店長!! 【兄貴】の方で何かあったんですか? すぐに戻ってくると言ってましたよね」


 弟店長がすぐに【愚弟】に戻らなかったから、本当に蛍が店の前までやって来てしまったじゃないの!! 


「ヤバイヤバイ!! 今の状況は一番駄目でしょ。裏口とかあるなら、そこから脱出するしか」


「誰かお客さんが来てるんですか? いつも協力して貰ってるんです。慌ててるようなら、私もお手伝いしますよ」


 私と紗季が慌てるものだから、逆に蛍が店の中へ入ろうとしてきた。このままでは脱出する時間もなく、万事休すか!?

 

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