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簡単に白状します

「蛍ちゃんに内緒? 彼女にサプライズをするなら、フィギュアを作っても」


「しつこい。それをするなら、蛍に告げ口するから」


 この店長はどこまで蛍を気にいったんだろう……ストーカーになったりするのは止めてよ。


「冗談だ。これも次元シリーズのポロんちょ様のねんどろいど。最近リメイクがあったからな。旧式の方を依頼された」


 冗談……蛍相手だから、そういう冗談は止めて欲しいんだけど。


「旧式……その人も分かってるわね。昔の次元シリーズを選ぶとか。私としてはヤットデタヤンのポロんちょ様がいいと思うけど」


 リメイクされたのはイヤッダーマン。次元シリーズにヤットデタヤンはあるけど、お父さん達の年代のアニメ。紗季も何処から情報を仕入れてくるのよ……じゃなくて!!


「そんなマニアックな話ばかりで、本来の目的から離れて行ってるから!!」


 もしかして、異世界研究所に行くために作業を頑張り過ぎて、ヤル気が無くなってるから、自由時間を少しでも引き延ばそうとしてるんじゃないよね?


「率直に聞きますけど、店長達は異世界研究所の関係者だったんですか? 二人と似た写真もそこにありました」


「だった……というか、今もそうだが? 紗季達は能力者だったのか? まさか……蛍ちゃんも」


「蛍は能力じゃないし、関係ありません。むしろ、知られたくないです……って、そんな簡単に白状してもいいんですか!!」


「研究所に案内される能力者も出てくるのは分かってたからな。俺達の写真を見られてたら、言い逃れも出来んし」


 確かに……自分の事を調べたいと思う能力者もいるだろうし、聖剣や魔導書、ゴブリンが何の能力で反応するかも分からないし、小鳥遊先生以外の研究者も、能力者を異世界研究所に連れて行くのかもしれない。


「店長達は研究者……には見えないけど、一員として何をしてるんですか? この店もその一貫で……」


 悟の疑問に思うのも分かるかも。異世界に憧れがあって、コスプレやフィギュアをしてるだけじゃないよね?


「この店は俺達の単なる趣味だ。この店があって、異世界研究所の協力が復活したとも言える……出資もしてくれるからな」


「出資とか、そういうリアルな部分を聞きたいわけじゃなくて」


「能力者は学校だけじゃないからな。こういう場所に来る人間もいるだろ? それに転移や転生に本気で興味ある奴を見つけるためなのもある」


 転移や転生に興味ある奴を勧誘……って、事故とかヤバい事はさせてそうなのじゃないの?


「店長は転移、転生に挑戦はしたんだよね? そんな風に聞いたぞ。ここにいるって事は失敗したわけで……それを勧誘するのは大丈夫なのか」


 小鳥遊先生は異世界研究所に写真で飾られた人物達が、異世界の転移、転生に挑戦したと言ってたから。店長達が店にいるという事は……


「異世界はあったぞ。入口前で、鬼に追い返されたからな。一緒にいた弟もそれを体験してる」


 それは……異世界というより地獄なのでは? 何かしたせいで鬼に追い返され、現実に……そっちの方が凄いと思うけど、夢オチなんでしょ。


「店長達の事も気になるところだけど、異世界研究所の事をもっと詳しく聞きたくて……ゴブリンの事とか」


 ここは遠回りに言うより、名前を出した方がいいでしょ。


「……ゴブリンの事まで知ってるのか? 紗季達の中で能力者は誰だ?」


 もしかして、能力者だけに話す流れ? 店長は蛍と話す間柄かもしれないから……


「私と陣子の二人です。紗季は……そうじゃなくて」


「一番持ってそうな感じなんだけどな。……なら、二人の能力を見せてもらったら、少しは話してもいいぞ」

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