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怪しい双子といえば


「昨日の異世界研究所は凄かったな。本当にゴブリンがいるとか。【学遊日誌】に登場させるのもありと思ったからな。もう一度行ってみたいぞ」


「反応があったとも言ってたからね。私が呼ばれた時、紗季も一緒に来れるか頼んでみるよ」


「……楽しそうに話してるけど、漫画の手伝いで呼び出したんだよね? 外に出てるのは何でよ」


 日曜日。小鳥遊先生の案内で異世界研究所に行き、色々な事を体験出来た。検査はゴブリンに異変が起きた事で中止になったけど、これに関しては小鳥遊先生が教えてくれるかどうか……まぁ、紗季とサクラ先生に関しては、研究所内を模写したり、機具に触れたりして、出禁の可能性は高いけど。


 それよりも……紗季が漫画制作の時間を取り戻すため、私と悟をアシスタントとして、朝から呼び出したわけなんだけど、来て早々に外出する事に。


「必要な物があったら、紗季の家に行く前に買っておいたのに」


「買い足す道具もないし、備蓄もあるぞ。気になった事は、少しでも早く解決したいだろ?」


「気になった事? ……小鳥遊先生は流石に昨日と今日だから、学校じゃなくて、研究所にいるんじゃないの?」


 小鳥遊先生が学校にいる可能性は低い……というか、向かってるのは商店街の方向……だよね?


「紗季が会いに行くのは、小鳥遊先生じゃないよ。研究所の中に怪しい人達の写真があったでしょ」


 小鳥遊先生は異世界転移に挑戦した人達とか言ってたやつね。確かに見るからに怪しい人達しかいなかったけど……


「あっ……もしかして、悟や紗季もそう思ったわけ?」


「当然!! あんな濃い双子キャラが何人もいるわけないでしょ。アニメや漫画好きでフィギュアやコスプレの店を出すくらいなんだから、異世界研究所に関係してもおかしくないわね」


「本当にあの写真が店長だったら、私や陣子は能力者だし、異世界研究所の事を言えば、色々話してくれるかもしれないでしょ」


「いやいや……店長達が逃亡してた場合、関わりたくないから、しらを切るんじゃないの?」


「その時は……異世界研究所に密告するとでも言えば」


 紗季も悪どい事を考えるもんね。サクラ先生が一緒じゃなくて良かったわ。それ以上の事を考えつきそうだし……


「信用を無くすわよ。蛍のコスプレ制作に協力してくれてるんだから、私達が蛍に怒られ……る……って、駄目じゃないの!! 蛍が店にいる可能性もあるんだから」


 蛍の目の前で異世界研究所の話なんかしたら、私が能力者=オッサンだとバレる可能性が高くなるじゃない。


「そこは安心して。私達が行くのは【愚弟】じゃなくて、【兄貴】の方だから。蛍も集中してるだろうし、【兄貴】の方には顔なんか出さないでしょ」


 それでも向かい合わせの店だから、【愚弟】の店長がこっちに気付く可能性はあるんだけど……


「嫌だったら、陣子は先に私の家に戻っても構わないけど?」


「……聞くわよ。聞くに決まってるでしょ」


 蛍の事は警戒しないと駄目だけど、異世界研究所の事をもっと知りたいと思うのは紗季だけじゃなく、私もそうなんだから。

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