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手土産は……


「着きましたよ。ここが私達の研究施設です」


 小鳥遊先生の呼び声で目を覚ました。途中まではお母さん、サクラ先生、小鳥遊先生の四人で漫画談義をしてたんだけど、いつの間にか意識が途切れてた。アニソンに睡眠導入効果があったのか、目隠しをしていたせいか。どれだけの時間が経過したのか分からない。言える事があるとすれば……


「秘密基地はやっぱり山だよね。けど、ちょっと小さくない? 地下に何かあったりするんですかね」


 到着した事でアイマスクを外し、サクラ先生はいきなり暴言を吐いた。道路が引かれてる時点で秘密基地っぽくはないんだけど、周囲にあるのは木ばかり。森か山のなのかは確か。


 そこにポツンとあるの建物が小鳥遊先生がいう研究施設みたい。研究施設とか言うから、学校や大型スーパー……それ以上の大きさかなとも思ったけど、その半分にも満たないくらい? 三階ぐらいまでしかなさそうだし……


「研究内容があれですからね。最近になって出費者が増えてきたぐらいですよ」


「異世界研究ですよね? それを考えると、よくこれだけの建物が出来たと思った方がいいのかも」


 医療系やロボット開発なら分かるかもだけど、ラノベやアニメで出てくる転移や転生のアレだからね。


 小鳥遊先生の後ろをついてきたお父さんの車も到着。取り敢えず、悟と響鬼先輩と合流。


「悟、響鬼先輩。そっちの車の中の雰囲気は大丈夫でしたか?」


 こっちは寝る前までは楽しかったけど、悟達に関しては謎の運転手もいたわけだから、居心地が良かったかどうか。


「面白かったぞ。謎の運転手もしゃべりが上手くて、盛り上がったぞ。昔のアニメの話もあって、叶の父ちゃんも楽しかったんじゃないか?」


「ですね。怖い研究をしてるのかと思ったけど、大まかな研究内容も聞いたから余計にかも」


「……という事は、二人も異世界を研究してる施設って聞いたわけ」


「そうだな。最初は耳を疑ったが、ラノベの知識まで豊富だったぞ」


 お父さんも何だか満足気な顔をしている。それほど有意義な時間だったわけだ。


 意外や意外。謎の運転手。サングラスに黒服の男はアニメや漫画好きだった……のも、当然か。この施設で働くのはオタクが多いと思ってしまう。その人もいつの間にか姿を消している。能力は女性ばかりだし、あの運転手が能力持ちとは思えないんだけど……


「陣、車のトランクを開けてくれない。必要な物が入ってるのよ」


 お母さんは小鳥遊先生とサクラ先生の側にいて、私に後部トランクを開けるように言ってくる。


「はいはい……手土産とか事前に用意してたんだ」


 研究施設にお邪魔するんだから、礼儀として手土産の一つや二つぐらいは用意するのが大人なのかな? と車のトランクを開ける。


「……何やってるの?」


「一度こういうのをやってみたかったんだ」


 車のトランクに入ってたのは手土産どころか、生きた人間……というか、紗季だった。

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