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父、襲来!!


「う~ん……私も食べてばかりじゃなくて、少しは鍛えた方がいいのかな」


 バイトが終わり、帰宅してお母さんが作り置きした晩御飯を食べながら考える。蛍はオッサンに好きになって貰うために努力してるわけで、振る事になるとはいえ、オッサン時のスタイルをどうにかした方がいいのか……


「というか、体型なんてそこまで気にしてなかったけど」


 オッサンに【変身】するのはスルメと栄養ドリンクなんだけど、他にないかを調べるために食べる事が多くなったからなぁ。それにオッサン時の味覚変化がそれを加速するわけで、部屋にご飯を持ってきたから、オッサンの姿で食べているんだけど……


「お腹が前よりも出てきた気がするのは……気のせいじゃないよね」


【変身】する前はそこまでなんだけど、オッサン時の腹の出方が違う。先週に身体測定をやったばかりだけど、体重計に乗るのが怖くなってきてる。私の体重=オッサンの体重ではなさそうだけど、けっこう増えてる感じがする。


「【疾風怒濤】を使わずに、学校に行くのは朝から疲れるし……筋トレとかするしかないのかな」


 オッサン時にした方が効果があるのか。それとも【変身】する前にした方が楽なのか。若い方が体重が落ちやすそうだし、体力もある気がする。けど、それは腹が細くなるだけ。オッサンの時に努力して、格好良くなれば、元に戻った時の変化に期待するのもありなのかな?


「オッサンになれるのは最高で二時間だし、そこで集中してやる方が効率が良いのか……能力も関係するし、小鳥遊先生に聞くのもありかも」


 今日から筋トレとかを始めるのは止めとこう。バイトの疲れもあるし、ご飯は美味しいうちに食べておかないと……


 なんて、自分の事で頭が一杯だったせいか、ある音に全然気付かなかった。


「陣。まだ起きてるか。美味しいスルメを貰ったから、食べるだろ?」


「あっ……」


 ノックの音だけじゃなく、お父さんが帰宅した事に全然気付かなかった。そのせいで「待って!!」の言葉も言えず、お父さんは私の部屋のドアを開けてしまった。いや、言ったとしてもオッサンの声だから同じか……


「……誰だ? 娘を何処にやった!! お前が陣の彼氏なんて事はないだろ!!」


 お父さん激怒!! 見知らぬオッサンが娘の部屋にいるんだから当然よね。しかも、呑気にお母さんの用意したご飯を食べてるんだから。


「お母さん!! お母さんがコイツを家に入れたのか? こんな禿げたオッサンなんて、陣の彼氏なんか認めないぞ」


 オッサンって……人の事を言えないから。余程パニックってるんだろうけど……


「彼氏じゃないし。こんな姿をしてるけど、私が陣子なの。ニュースでもやってたでしょ。流れ星を受けた少女、女性達が未知の能力に目覚めた……みたいな。私の場合はスルメや栄養ドリンクでオッサンになるの。後十分もすれば、元に戻るから」


「そんな馬鹿な事が」


「ついにバレたみたいね。そこにいるのは陣子で間違いないわよ。私も最初は疑ったけど、直に見てしまったから」


 私の説明+お母さんが会話に加わった事で、お父さんに反論する隙を与えなかった。

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