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ラーメン屋


 ガラガラガラガラ……


 雪見は教室の扉を利用して、店に入ってきたような雰囲気を作り出す。


「いらっしゃいませ。一名様ですか? カウンターにどうぞ」


 教壇を厨房、机がカウンター席。そこに雪見が座る。一応、居酒屋でバイトしてるから挨拶はお手の物よ。接客は笑顔が大事ね。


「何にしましょうか?」


「チャーシュー麺」


 ラーメン屋と間違って、うどん屋に入った設定だから……と言っても、普通は間違うはずないけどね。若干体が寒く感じるけど……


「ここはうどん屋ですよ。隣がラーメン屋。いらっしゃいませ」


 帰れ&他の客が来たのを言葉だけで表す。伊達に漫画のアシスタントをしてないから、ツッコミも出来るわけ。


「いや、看板にそばとも書いてただろ?」


「そば違いですね。中華そばも隣になります。いらっしゃいませ」


 ラーメンの呼び方を変えた分かりにくいボケね。


「なら、麺はうどんでいいです」


「チャーシューもねえんだよ。隣の店に行けよ」


『そこは蕎麦じゃなくて、うどんなのかよ』と悩むところだった。ツッコミも三回目だから、強気に言った方が良いと判断。


「仕方ない。きつねうどんのバリカタで」


「はいはい……きつねうどんの麺硬めね」


『それもラーメンだろ!!』とツッコミを入れるところだけど、そこは緩急をつけてみる。雪見が何も返事をしないのは、きつねうどんを提供した後から再開するんだろうね。


「きつねうどん硬めが出来たよ」


 勿論、本当にあるわけじゃないから、渡すフリをするだけ。『何処にきつねうどんがあるんだ?』と言ってくるつもりかもと思ったけど、ジッと見るだけ。


「食べないのか? 折角の硬めが意味ないだろ?」


 思わず、普通に聞いてしまった。こういう時にネタを教えてくれないとキツイものがある。


「うどんは五分待つのが普通だろ?」


「カップ麺じゃないんだよ!!」


 そのフリをしたくて、麺をバリカタにしたわけ? 


「……写真ですか? 早く食べて欲しいですけどね」


 雪見はスマホを小道具として使ってる。それを利用するネタとか思い浮かばないけど……


「出前軒です。隣のラーメンお持ちしました」


「だったら、最初から隣の店で食えよ!!」


 スマホを使って、録音した雪見の声で出前軒を登場させるとは……


「これで終わりです。あの……どうですか?」


 これで雪見との【ラーメン館】のコントが終わった。一応、出前軒でオチをついたと思うけど、悟達の評価はどうなんだろう?

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