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無茶振りにも程がある


 放課後。今日は委員会の顔見せがある。クラスのどちらか片方が参加すれば良い事になってるんだけど、勿論私が行く羽目に。学祭で何をするかを決めるわけじゃないし、今回は単行本のために漫画を優先してるのも仕方がない。


「ここに雪見がいるとは思ってなかったけど……普通は嫌がるんじゃないの?」


 学祭実行委員会の集まる教室に雪見がいたのは驚いた。学園祭でコントをするための準備として、学祭委員を選んだ? そうだとしたら、努力は認めるわ。


「私は何となく……有野先輩なら入るかもって。でも、叶先輩も同じ委員だとはビックリしました」


 それは何処かの先生に学祭での紗季の行動を聞いたのかも。私の場合は【ライソ】で委員会で時間は遅くなると伝えてたけど、学祭実行までは言ってなかった。


「私の場合、委員会に入ったのは無理矢理に近いけど……今日から練習する感じかな? 紗季が無茶苦茶な事を言い出すから」


 雪見の相談。紗季の弟子入り&私が練習相手になる事なんだけど、紗季が先に条件を突きつけたのよね。私と雪見の二人で紗季を笑わせるネタを見せろだと。


「それも勉強かな……って。私は嬉しいですけど、巻き込んでしまったみたいで」


「いいよ。私も協力して欲しい事が出来るかもしれないし。そんな集まりでしょ」


 能力者とは関係ない悩みでも協力しないと。私もいずれ来る蛍対策を考えないと駄目だから。それに……紗季の事だから面倒と思ったのかも。漫画で忙しいのもそうだけど、教えるのに向いてないから。もしくは、雪見から刺激が貰えるのかを試してるとか?


 まぁ……雪見が紗季の弟子入りすれば、悟みたいに漫画の手伝いをさせるはずだし、私の自由な時間が増えるという打算もなくもない。


「練習場所は小鳥遊先生が用意してくれたし、アイスも響鬼先輩がコンビニで買ってくれるらしいから」


 練習するのはいいとして、評価する人は欲しい。それに場所も必要。そこで頼ったのが能力者の集いメンバー。サクラ先生は生徒じゃないから無理だけど、響鬼先輩と姿見先輩、小鳥遊先生も協力してくれた。


「あの……申し訳ないというか……怖いというか」


「先輩達の事? 響鬼先輩や姿見先輩は良い人だし、そういうのにも慣れていくのも必要だと思うけど? コントを誰が見てくれるのかも分からないんだし」


「うぅ……頑張ります」


 子兎のように震えてるけど、それは慣れて貰うしかない。というか、一緒にする私も恥ずかしいんだから。


「それで、どんなネタをするわけ? 書いてるものがあれば嬉しいんだけど」


 面白いかは別にして、流石にネタぐらいは幾つか用意してるはず。悟達の前でネタをするなら、事前にどんなものか知っておかないと……


「あの……これです」


 雪見から渡されたプリントには【ラーメン屋】という題名が書かれてる。設定は客役が雪見で、店長役が私らしく、雪見がラーメン屋と間違って、うどん屋に入るところから始まるらしい。


「なるほどなるほど……で、会話とかは?」


 その設定だけで、一番重要なシナリオが何一つ書いてない。というか、小さくアドリブでと書いてるんだけど……


「私の台詞に叶先輩が思った事を口にしてくれたら」


「何でだよ!!」


 思わず、雪見にツッコミを入れずにいられないでしょ!!

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