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雪見の相談事

「二年の教室に来るなんて、勇気がいると思うんだけど……余程の事なのかも」


 悟がそう言うのも、響鬼先輩の教室に行く時は断ってるからだ。場所を把握してないのも理由だったけど、今回は雪見一人で来てるわけだし。


「重い話は嫌なんだけど……仕方ないか。【ライソ】のグループに入れて貰うためでもあるし」


 紗季は能力者じゃないから、集いのグループに参加してない。遊園地の件で姿見先輩からは許可が貰えたので、後は響鬼先輩と雪見になる。


「陣子達も話に加わっていいかも聞いてくるわ」


 紗季が教室を出て行こうとすると、雪見はドアから顔を引っ込めた。能力者の集いの時、紗季はゾンビのマスクをしてたから、紗季が誰なのか確認出来たから?


「それにしても……紗季に相談だとか、よく思い付くわ。小鳥遊先生も一緒だったけど、アレを主に考えたのは紗季でしょ?」


 能力者の集いで掃除用具入れの中に入らされて、主宰者達は変なマスクやマントを着けてるわけよ。それを考えるのは怪しさ満載じゃない。しかも、雪見は漫画のモデルを断ってるぐらいで警戒心が強いとも思ったけど……


「陣子、悟」


 紗季が手招きしてる。雪見が私達を呼んでも良いと言ってくれたのかも。悟は助手Sと友達だと答えてたから、一緒にいるとも分かってた可能性もあるかな。


「こんにちは。私が叶陣子で、彼女が井上悟ね。相談事なら、【ライソ】でコメントしてくれても良かったのに」


「ご、ごめんなさい。あれとはそこまで関係が無くて……あの、雪見です」


 雪見は私達の顔も知らないから、自己紹介もしとかないとね。圧にならないようにと思ったけど、【ライソ】の要求は不味かった? ちょっと怯えた感じになってしまったんだけど……


「相談というか、雪見は私の弟子になりたいんだと」


「……はっ? 紗季の弟子……雪見は漫画家希望なの?」


 雪見がここに来たのは紗季に弟子入りするため? 話が全然見えてこないんだけど……


「ち、違います。小鳥遊先生に有野さんの漫画を教えて貰って、読んでみたら面白くて」


 もしかして、一度断った漫画のモデルになりたいって事? そのために紗季が弟子入りを強要したとか?


「鉄先生から有野さんのこれまでの行動も聞いて、凄いなと思ったんです」


 紗季のこれまでの行動というのは一年の時の事? みんなが呆れるというか、別の意味で凄かったけど……そこに憧れを持つの!?


「わ、私……こ、こんな感じだけど、笑いに興味があって、有野さんの漫画とか行動を勉強出来たら良いなぁ……って」


「……らしいんだけど、どう?」


「分かる……分かるわ。高校デビューだよね」


 紗季もそこで私に振る!? 雪見は寒いギャグを言ってたのを思い出したけど、芸人とか人気者になりたいわけ? それに失敗したのが……悟もウンウンと頷いてる。


「そ、そんなのではないです」


 と、すぐに悟の言葉は否定されてしまったけど。

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