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一番怪しいのは?

「見間違いかも。ちょっと前に学校で騒ぎを起こした人と言えばいいのかな……その人が子供と一緒にいたわけなんだけど」


 若杉は酢男=煤川の顔を見た事ない。私も何度も会ったわけじゃないんだけど、黒さん関連でいないなんて否定は出来ないんだよね。


「つい最近のあれか。結局、有野の関係者なだけで何もなかったんだろ?」


 若杉も紗季が漫画家だと信じてる……というか、知ってる。

バイト先の店長が紗季の漫画のファンで、この前描いた絵は店に飾ってあるぐらいだし。


「何もなかったわけでも……」


 生徒達を少し怖がらせたのもあるし、酢男は紗季の担当を外され、別の仕事も減った可能性がある。黒さんが今日のデートを酢男に話していて、白先生に復讐するつもりで……なんて事はないのよね。


「私はあの人達の後をつけるから。バレないよう正面から確認したいんだけど」


 というのも、酢男と一緒にいる子供。小鳥遊先生の【若返り】の姿に似てるんだよね。能力検査の時に一度見ただけだから、本人なのか確かめたいところ。


 小鳥遊先生だった場合、話は変わってくる。紗季同様、白先生と黒さんを付き合わせるために動いてる可能性もあるし、能力者の力を試すためとも考えるから。


「……叶がそうしたいなら、俺も付き合うさ。そっちの方が怪しまれずに済むだろ」


 若杉は嫌がると思ったけど、一緒に調査をしてくれるみたい。小鳥遊先生に少しでもバレないようにするには……デートを装うのが……


「助かる。それ次第で犯人が分かるかもしれないから」


 状況が状況だから、私はデートを装うべく、若杉と手を繋いだ。それが限界。腕を組むとか、抱き合うのは無理だけど、ここまでぐらいなら。


「おっ……おふ。犯人が分かるなら仕方ない事だよな」


 若杉は握り返すまではしなかったけど、ロボットのようにギクシャク動く。緊張されるとこっちも恥ずかしくなるんだけど……


「あ、アイツの事を有野に伝えなくていいのかよ。任せるのも手だと……手……俺達がやった方がいいな」


 若杉は繋いだ手を見ながら、独り言のように呟く。


 それもありなんだけど、酢男と小鳥遊先生の組み合わせだと、接点である紗季もその仲間とも考えられるんだよね。小鳥遊先生の思惑だけじゃなく、紗季と小鳥遊先生の策略。


 紗季が酢男の行為を咎めない条件として、協力するように頼んだとも考えられる。


 小鳥遊先生なら姿見先輩の能力を把握してるから、酢男が演技してるところを見せるのも可能だし、サクラ先生は能力者繋がりで知り合いかもしれない。


 色々考えていくと、紗季が黒幕のように思えてくるのは気のせい?

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