表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/245

私の能力に活躍の場はあるのか

「事件……紗季の漫画の話じゃなくてですか? それとも先生の新作? 姿見先輩は怪しい人を見たんですか?」


 悟が疑問符だらけになるのも分かるかも。事件なんて簡単に起こるわけがないし、私達よりも先に遊園地の人や警察に伝えるべきでしょ。


「どうだろう……一人でおばけ屋敷に来た男性がいたな。スマホで何かを話してたようだけど、怪しいとまでは……いや、その後に野比田さんのところに行ったのか」


「野比田は私の本名ね。野比田鐘(のびたかね)。私を漫画家として知ってる人にはサクラの方が嬉しいんだけど…」


 (かね)という名前よりもサクラの方が可愛い感じはする……じゃなくて、姿見先輩はその直後にサクラ先生のところに行ったのは……


「会話を忘れないうちに、近くにいた先生のところに伝えに行ったのかも。仕事中ならスマホとか使えないよね?」


 悟の言う通りかも。姿見先輩がスマホを使った場合、誰かいるとバレてしまう可能性もあるわけだし。


「そうそう!! 聞いたのは部分部分なんだよね。効果が消えそうだったのが原因なのかもしれないけど。【パレードが終わる二十時】【誰も知らない】【アレを設置】【人生が変わる】【集めないと】……だったかな」


「ふむ……【誰も知らない】というのは脅迫状や犯行声明を出してないとかか? なら、警察も簡単には信じないだろうし、無闇に言えばパニックが起こり、逆に危険だぞ。勿論、爆弾とかが設置されてる場合だけど」


 爆弾!? 怪しい言葉ばかりだから、それもありえるのかも。これが紗季からの言葉なら怪しいと思うけど、サクラ先生が姿見先輩から聞いた事だし。それ自体が嘘だとして、それをする理由がサクラ先生にはないでしょ。


「という事で!! 後羽さんから能力者達と一緒に来てると聞いたから、力を合わせて何とかするのもありだと思うんだけどさ」


「サクラ先生と会えたのは嬉しいけど、このために私達を呼び出したんですか?」


「それは偶然だよ。本当は後羽さんと能力の話もあるけど、漫画談義するためだったから」


「やろうよ。見つけるだけ見つけて、危険物なら係員や警察に連絡しよ?」


 コスプレにも積極的だったし、悟は案外チャレンジャーなのかも。自己紹介の時はそれで失敗はしたけど……


「後羽さんもいいよね。こんな展開、漫画やアニメ以外になかなかないでしょ。能力者達が協力する熱い展開だよ」


「勿論!! サクラ先生や悟の活躍する姿を参考させて貰おう」


 サクラ先生と悟の活躍……私のオッサンに【変身】する能力が何の役も立たないと紗季も思ったからでしょ。姿見先輩は協力するか分からないから?


「ん? 私が言い出したのなら、手伝うしかないでしょ。けど、それは仕事が終わってから。今は休憩中で、残り二時間残ってるのよ。それはサクラさんも同じだから」


「うっ……仕事を途中で投げ出すのは駄目だね。一時戦線離脱という事で、その間は三人に任せるよ」


 姿見先輩は私の視線に気付いて、答えてくれた。それと同時に、二人の休憩時間の終わりらしく、席から立ち上がった。


 これは私も強制的に参加させられる形なんだけど、花畑君と若杉はどうするのよ。白先生と黒さんは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ