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言葉というマジック=屁理屈


「紗季!! 明日の遊園地の件だけど、一体どういうつもり!!」


「ん? 一体どういうつもりとは? 取材に行くんだが」


 土曜日の昼。紗季の漫画のアシスタントをするため、家に来たわけなんだけど、文句の一つでも言わないと駄目な事が起きた。


 それは昨日の出来事。本当は金曜の夜に漫画の手伝いをするつもりだったけど、バイト仲間から替わって欲しいと連絡が入って、そっちを優先したわけ。その日は若杉も仕事に入っていて……


「若杉から聞いたの!! 若杉と花畑君の四人でダブルデートだってね。寝耳に水よ。花畑君の相手を紗季がするなら、若杉の相手は私になるじゃない。遊園地の無料券で何かあると思うべきだったわ」


 若杉のドヤ顔というか、やらしそうな顔が何とも腹が立った。それを聞いた時は心の中でドタキャンの文字が出てきたから。


 蛍の件で響鬼先輩や姿見先輩と【ライソ】で相談するよりも、こっちを先になんとかしないと思ったぐらいだし。


「あの……私も一緒に行くけど? 紗季が無料な分、チケット代の半分を出してくれるって。……私も仲間外れは嫌だから」


「……えっ!?」


 悟は私よりも先に紗季の家に来て、ベタを塗っている。昨日の夜も手伝ってたはずだから、その時に悟も一緒に来る事になった?


「チケットはタダで貰えるからな。遊園地へ一緒に行くと言ったが、遊ぶとは言ってないぞ。薫も若杉を利用してるだけだし」


 それは屁理屈というか……花畑君も違う目的があるのなら、若杉だけが損をしてるわけで……私としては一緒に行動しないでいいなら別にいいし、悟を入れての五人ならまだ許せるんだけど……


「けど、遊園地の無料券があったとしても、そこまで遊園地に興味があった? 単行本のおまけ漫画や来月分の話とかで忙しいんでしょ?」


「そうだけど、行くしかないんだよ。黒さんと白先生のデートを覗きにね。これはデートの取材でもある。新キャラ二人を使うためでもあるから。見つかっても、薫達が誘ってきたと言えるだろ?」


「白先生がOKしたわけ!? ジムとか居酒屋じゃないのに?」


 大人でも男女二人で行く遊園地はデートを意識するんじゃないの? 白先生は黒さんの好意に全然気付いてなかったと思うんだけど……


「私と小鳥遊先生はアピールし続けろとか、漫画で二人をカップルにさせる話とかを考えたけど、こんなに行動力があるとはね。白先生も一度は断ろうとしたけど……黒さんもなかなかの策士だわ」


 白先生は一度断ろうとしたんだ? それをOKしたって事は遊園地になるかある? それとも酢男の件? 黒さんに迷惑かけたと思ったから……


「白先生って【妖怪の森】が好きでしょ? 竹刀にそのレア物を付けるぐらいだから。私も【妖怪の森】を少し見てたから分かるんだよね。それよりも、勿論白先生の恋を応援するけど」


 白先生じゃなくて、黒さんの恋なんだけど……悟は黒さんとまだ一度も会ってないか。白先生は黒さんのデートじゃなくて、【妖怪の森】に惹かれたわけか……


 ん? それなら、花畑君が若杉を利用する理由も【妖怪の森】……なんて事はないか。

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