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両雄対峙する?

「飛鳥の教室は四組。隣のクラスとは思わなかったけどな。体育も一緒なのに全然名前なんて覚えてないからさ」


 体育は一年から三年まで、二クラス合同でするのは一緒。勿論、男女で分かれてる。


「という事は、姿見先輩の顔を知らないって事ですよね?」


「そうだな。覚えてないというのが本音だ。興味がない奴の顔や名前なんて、そんなもんだろ」


「まぁ……クラスが一緒でも名前がすぐに出ない時があるかも。ましてや、違うクラスだと尚更」


 深く同意する。紗季や蛍、響鬼先輩みたいに印象が強くないと、名前や顔なんてすぐに出てこない。私や悟はその部類……まて!! 悟は運動が出来て、胸もあるから……モブなのは私だけ!?


 響鬼先輩は私の肩に手を置く。『大丈夫だ。私は知ってるぞ』みたいに……まだ私の心の声を漏れ聴いてる!? 別の人に変えてよ。


「分かったよ。お前の聴いてると面白いかったんだけどな。まずは井上と叶で飛鳥を呼ぶように、クラスの奴に頼んでくれ」


「わ、分かりました。陣子が面白いのは私も知ってるから」


 悟に謎の励ましをもらったんだけど、私はそんな風に思われてた? 紗季と一緒にいる時点でそうなる?


「あ、あの……姿見先輩はいますか?」


 三年四組のクラスの男子に悟が声を掛けた。私は悟の隣にいて、響鬼先輩は廊下で昼御飯の続きをしてる。行儀が悪いけど、後で私もしよう。


「す、姿見!? いるけど……声を掛けてみるわ」


 三年男子が驚いた理由は分からないけど、姿見先輩は教室にいるみたいだ。昼休みだから食堂とか、別の場所で食事をしてる可能性もあったから。


 そして、男子の声を掛ける人を目で追うと姿見先輩が……


 姿見先輩は姿勢正しく、読書に勤しんでいる。綺麗な長い黒髪、横顔を見ても整った顔、切れ長の目、それに眼鏡。座ってるけど、身長が高いのも分かる。


 美人。それに響鬼先輩とは違った感じで近寄り難い雰囲気がある。本を読んでるのを邪魔したくないような……滅茶苦茶目立つ存在なんですけど。


「……男先輩の方がペコペコしてるんだけど、分かる気がする」


 悟も私と同じように感じみたいで、三年男子が私達の方に戻ってきた。


「お前達の事は知らないから無理らしい。一体何の用があるんだ?」


 姿見先輩に拒否された? 私達は掃除用具入れに姿を隠してたし、話した内容も忘れてたら当然なのかも。だからといって、『能力者です』とか言えるはずもないから。私や悟だけじゃなく、姿見先輩も能力者だとバレてしまう。


「私が用事があるんだよ。コイツらは私の連れだ」


 ここで響鬼先輩が乱入!? 断られたから仕方ないけど、かなり目立つから!!


 響鬼先輩の声に姿見先輩は振り向き、こちらに歩いてきた。これは……一触即発?

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