表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
35/38

紅月-35

 ―――で、でも、それは、先生が殺したことになんないんじゃないの?いきなり飛び出したその男が悪いんだろ。

 でもね、あの時、車が通らなければ、あたしは間違いなく彼を殺していたわ。

 車の来てるのにも気づかないほど彼を追い詰めたのもあたしだった。

 どっちにしてもね、あたしが、殺したの……。

 ―――そ、そんなのおかしいよ。

 彼にも父親がいて母親がいた……。ご両親の失意を感じれば、悪いのは、あたしなのよ……。

 ―――そんな……。

 でもね、イチロー君。まだ、この話には後があるの。って、別に大したことじゃないけどね。

 そうやって、彼が死んだことで、ファントム・レディの評判が上がったの。皮肉ね。一度は地に落ちたファントム・レディの名前が、あたしの私怨でまた株が上がったのよ。

 ファントム・レディに手を出すな、おかしな真似すると殺されるぞ、とか。その日が満月の日だったから、満月の日は暴走族は走るのをやめた、とか。

 暴走族連中は私が怖くて満月の日に走るのをやめたんじゃないと思ってるわ。ちょうど月命日にあたるし、そのくらい仲間には義理堅いところがあるのよ。連中は…。


 でも、確かに、暴走族まるごとひとつ壊滅させたくらいだから、そのくらいの評判は仕方ないかもしれない。でも…あたしには、どこまでも、ファントム・レディがつきまとってくるんだって、その時ようやく諦めがついたの。あたしは、もう一生、ファントム・レディであり続けなければならないんだって。

 ―――……それで、先生ずっと、お墓参りしてるの?

 うん。やり過ぎたのよね。やっぱり。あたしの私怨で人を死なせたんだから、反省と自戒のために毎年。

 ―――でも、そいつが悪いんだろ?

 あたしがファントム・レディでなければよかったの。んん、あたしが、ファントム・レディであり続ければよかったの。

 ―――そんなの、変だよ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ