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グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
34/38

紅月-34

 あいつの属するグループのメンバーを片っ端から血祭りに上げて、居場所を突き止めたわ。もちろん、あの、薬を盛られた喫茶店も潰してやった。

 そして、あたしは限界で、初めて極限の力で追い詰めていった。

 抵抗するあいつの金属バットを曲げたと言ったら驚くかしら?でも、自分ではそれくらいはできると思ってたから、ちっとも驚かなかった。チェーンで殴られても怯まなかった。あたしは、ただひたすら鬼になってあいつを追い詰めていった。

 連日連夜あたしはあいつを追いかけた。初めは加勢していたグループの連中も次第に逃げ出して行ったわ。

 誰も匿うことのなくなった、あいつは、夜が寒くなった季節なのにもかかわらず、深山駅の近くの工事現場に潜んでいたの。どうやってそれを嗅ぎつけたのかしら。自分のことなのに、よくわからないわ。ただ、その場所にいるような勘が働いて、そして見つけ出したの。誰も止めてくれるはずのないそんな場所で、あの男はどうしたと思う。安全灯の光の下で笑顔を見せながら、言ったのよ。本当は、愛してたんだ、命令だから、仕方ないから、やったんだ。ってね。それを聞きながら、あたしの左腕がわなないていた。どうしてもこの男を殺せ、と叫んでいた。

 だけど、戸惑いがあった。その時までは、一個の人間として復讐をするつもりだった。だけど、このままだと、また、ファントム・レディの名前を穢してしまう。殺人鬼としての汚名を被ってしまう。その躊躇いが生まれた。

 その一瞬だった、あの男が逃げ出したのは。あっと思った瞬間、あいつはあたしの横をすり抜けて道へ飛び出して行った。あたしも我に返って追い掛けたわ。一層怒りを昂らせて、また、騙したのかって。

 夜の街をあたしはただあいつを抹殺するために追ったわ。あたしの脚に勝てるわけなんかないのよ。もう次の通りで捕らえられるというところまで迫ったわ。その時だった、あいつがヘッドライトの中に飛び込んでいったのは。


 即死だった……。


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