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グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
29/38

紅月-29


          * * *


 「ねぇ、君ずっとここでトレーニングしてるね」

バイクに跨がったまま、その男は話し掛けてきた。由起子は息を整えながら、頷いた。

「陸上部?」

「んん。野球部」

「へぇ~、野球部?どこ、女子校?」

「んん、そこの泉央学園」

「あそこ?あそこって、こないだ甲子園出たじゃない?あそこの、マネージャー…っていう雰囲気じゃないね。選手?」

由起子はにっこり微笑みながら頷いた。

「へぇ~、女の子が選手なんだぁ。でも、公式戦出れないでしょ?」

「うん。練習試合も、相手の監督の許可がないと出れないの」

「野球、好きなんだ?」

「うん」

「頑張んなよ」

そう言うと男はヘルメットをかぶり、バイクを走らせて去って行った、軽く手を振りながら。


          * * *


 ―――キザ!

 ここでこう喋るとそう聞こえるけど、その時は全然そんなことなかったのよ。ただのバイク好きの青年っていう感じだったわ。

 ―――高校生?

 後で話して、ひとつ歳上だってわかったわ。

 ―――よく話したんだぁ。

 そうでもなかったわ。初めはあんまり会わなかった。でも、あたしは、彼を待っていた……。いつの間にか、仁田池へ行くことが日課になっていたわ。そこで白々しくトレーニングして、待ってたの彼を。

 ーーーいわゆる、初恋、っていうやつですかぁ?

 そうね…。そうだったのね。


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