表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
21/38

紅月-21

左回し蹴りが由起子の右肩で妙な音を立てた。折れた、と思った瞬間、田口は一気に間合いを詰めた。田口の笑みがはっきり見えたとき、由起子は崩れ落ちるように身を屈めた。田口の右ストレートが空を切った。その下から地面を這うように飛んだ左アッパーが、田口の腹を獲えた。次の瞬間、田口は宙に舞った。そして、地面に落ちて二三度バウンドした後、悶絶の声を上げた。驚愕の声の中、由起子は左腕をゆっくりと掲げた。

 そして、群衆をかき分けてその場を立ち去った。


          * * *


 ―――……ホントなんだね……。

 怖い?

 ―――いや…、…でも、背筋が寒くなるよ。

 あの瞬間しかなかった…。田口にわずかに油断があった。あたしにはもう反撃するゆとりはないと思ったんでしょ、肩の骨が折れた時に。だから突っ込んできた。だから、反撃できた。あたしはとにかく気を落ちつかせて、自分の中心に気を集めて、それを左腕に託してぶつけた…。それが、最初のファントム…。

 ―――でも、誰も追って来なかったの?

 後はよく覚えてないわ。リンチに会うのが怖くて、その場から離れようとしたんだけど、満足に歩けなかった。後で知ったんだけど、秋葉さんがあたしを病院まで運んでくれたのよ。姉貴分としては、放っておけなかったのね。

 ―――いい人だったんだね。

 あのままだと、リンチされるかもしれないから。……でも、タイマンの勝者には、敬意を払うっていうのが暗黙のルールらしくてね、もし、あそこであたしが倒れても、そんなことはならなかったみたいね。

 ―――不良には不良の仁義ってものがあるんだね。

 そう。まだ、そういう、ルールというか、プライドみたいなものが残っていたのよ、あの当時は。

 ―――その後はどうなったの?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ