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グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
16/38

紅月-16

 でも、それは、本当だったわ。全国の不良を制圧したと言われる最強無敗の女、ファントム・レディ、北斗由紀子。

 ―――ユキコ?先生と同じ名前?

 そう、字は違っていたけど、同じ名前だった。それがあたしの目に止まった。それは一体誰が書いたものかわからなかった。姉の字ではなかったし、誰か子分の一人が書き残したものだったんだろうけど、どうして姉がそんなものを持っていたのかはわからないわ。姉と同じくらいの歳の人のことだから、何か関係があったのかもしれない。でも、姉はもう結婚してたし、直樹君も生まれてたから、聞きに行くこともできなかったわ。万が一、何か変なことに関係してたら申し訳ないものね。あたしは、ただその冊子を必死で読んだわ。けども、そこに書かれている記録は、血塗られた伝説だったわ。死闘の連続とでも言えばいいのかしら、あちこちの不良たちを制圧していった経緯が描かれていたの。それでも、あたしは、それを読みながら、わくわくしていた。もし、自分が『ファントム』を修得すれば、いま自分の置かれてる状況から抜け出せるかもしれない。そう思っていた。

 ―――『ファントム』のやり方は書いてあったの?

 なかったわ。ただ、描写があっただけ。『相手のパンチをかいくぐって、低い姿勢からすくい上げるようなボディブロー。全身を螺旋回転させ放つそれは、敵を宙に舞わせ、骨に当たれば骨を砕き、腹に当たれば内蔵を破裂させる』

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