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グリーンスクール - 紅月  作者: 辻澤 あきら
12/38

紅月-12


          * * *


 ―――それで、集まったの?

 うん。一年生が何人か入って、前の部員の人達も戻ってきて、結局十二三人になったのよ。

 ―――先生、エースになったの?

 んん。控え。ピッチャー経験者が、一年の田川君とあたししかいなかったんだけど、あたしは背も低かったし、まだまだボールも遅かったから、控えで外野守ることになったの。あ、打つのと守るのは結構うまかったのよ。二年生にも負けないくらい。足も速いし、一番でライトになったの。いまのイチロー君とおんなじね。

 ―――へぇ、すごいな。

 野球部は、順調によくなっていったわ。他のクラブはまともに練習すらしてないのに、野球部だけは練習も真面目にやっててね、周りからは不思議な目で見られていたみたいね。でも、まだまだ対外試合ができるほどじゃなかったの。それに学校の評判があまりよくなかったから、相手が見つからなかったっていうのが、本当だったみたいね。

 それに、あたしもそうした不良連中に巻き込まれていったの。


          * * *


 練習を終えて更衣室に向かう途中、由起子は呼び止められ、振り返るとそこに秋葉が立っていた。ちょっと、と手招きしながら由起子を呼び寄せた。由起子は少し躊躇ったが、素直に近づいた。

 秋葉は仲間を二人つれていた。二人とも明らかな校則違反の派手な髪型をしている。もっとも、校則なんていうものは有名無実で、上級生で校則を守っている学生は半分ほどしかいなかった。だから、由起子も特に驚くこともなく秋葉に招かれるままに三人に近づいた。

「あんた、こないだの事だけどさぁ」

秋葉はダルい喋り方で由起子に話し掛けてきた。

「アタシ、黙っといてやってもいいよ」

「え?」

「アタシがチクったら、あんた、退学になるんだよ」

「あ…ぁ、ぅん」

「それと、吉村。あいつにも、仕返ししないように、口利いてやるよ」

「え?」

「あいつ、執念深いから、きっと、恨んでるよ。でも、アタシがひと言言やゃあ、何もしないよ」

「…ん」

「どう?」

「あ、……お願いします」

「ふん。いいよ。だけど、その代わり条件があるんだ」

やっぱり、と由起子は思った。

「あんた、アタシたちのグループに入んな」


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