表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

北の大地は、

作者: AIAMAAI

 北の大地に足を踏み入れる方法は二つあるある。空路と陸路だ。

空路:一っ飛びで両手を広げて、デッカィドゥ。

陸路:連絡船を使って海路を渡り切って片拳をあげて、でっかぃどぅ。

 暫し、考えた。空路にすべきか将又陸路にすべきか、それが問題だ。


【ハムレット】

著者:ウィリアム・シェイクスピア


 うだうだと思い悩んでいると、

「どないしたんや」

 声をかけてきたのは、

「じゅんぎ君」

「なんや?」

「空路か、はたまた、陸路か」

 どちらにすべきかそれが問題提起すると、

「海路は海路でも、海底鉄道トンネルや」


【海底鉄道トンネル】

1964年:北海道側斜坑掘削開始

1966年:本州側斜坑掘削開始

1986年:トンネル内軌道締結

 長さ53.85㎞の青森と函館を結ぶトンネルは、津軽海峡を横断して本州と北海道を結び、

1988年:津軽海峡線開業

2016年:北海道新幹線開業

 24年の歳月をかけて、青函トンネルは国土を一体化させた。

 北の大地は、北海道。全集中の呼吸で両拳で両腕大きく広げて、デッカィどう。


【鬼滅の刃】

漫画家:吾峠呼世晴


 じゅんぎ君がドヤ顔で言って、

「クヮ、クヮ、クヮ、クヮヮヮヮ」

 左右両側の腰に手を当てたポーズをして威嚇射撃する雄鳥のような鳴き声で哄笑した。


【大空と大地の中で】

作詞&作曲:松山千春

 果てしない大空と 広い大地のその中で

 いつの日かしあわせを 自分の腕でつかむよう

 歩き出そう明日の日に 振り返るにはまだ若い

 ふきすさぶ北風に 吹き飛ばされぬよう 飛ばぬよう

 こごえた両手に 息をふきかけて

 しばれた体を あたためて


「少年よ大志を抱け」

「girls, be ambitious」

「no boys」

「no girls」

「なんでやねん」

「なんでやねん」

 互いに譲り合うこともなく、じゅんぎ君と睨み合ったままじゅっと動かずにいると、

「メ~~~、メ~~~~」

 かわいい声の可愛い羊たちに囲まれ、出迎えられたそこは、


【さっぽろ羊ヶ丘展望台】

 丘の上から札幌の街を見下ろすように、北海道大学の前身である札幌農学校の教頭、展望台のシンボルとも言える、クラーク博士の全身像が設置されている。

<ウィリアム・スミス・クラーク>

 マサチューセッツ農科大学の学長であったクラーク博士は、アマースト大学でクラーク博士の授業を受けていた日本人留学生で、後に同志社大学を創設した、新島襄じょうの紹介で、日本政府からの熱心なオファーを受けて、

1876年:来日

 札幌農学校に教頭として赴任したクラークを悩ませたのは、多くの生徒達の出生だった。札幌農学校の生徒達の多くは、戊辰戦争に敗れた旧幕府軍側の元武士が占めており、彼等はその元武士というプライドから、農民と同じ仕事をすることに抵抗を感じ反発ばかりしていた。

 しかしクラーク教頭の情熱的な指導は、そんな生徒に対しても酪農への魅力を感じさせるようになっていった。

1877年:帰国

 日本に滞在していたのは約8ヶ月と短い期間であったが、この功績は北海道の酪農、農業の発展に繋がったことから、クラーク博士を『北海道開拓の父』と讃えている。

<丘の上のクラーク>

 早春の風にひらひらはためくフロックコートを着て、左手は後ろに、右手は掲げて叫ぶイメージで制作された全身像。掲げた右手は、『遥か彼方の永遠の真理』を指すとされている。


「大志の誓いやで」

 じゅんぎ君とクラーク博士の全身像の前で同じポーズをして、声を揃えて高らかに叫んだ。

 ざわざわと音がして、夏風が頬を掠め、その香りが鼻を掠めた。目の前に、花が咲き乱れたラベンダー畑が一面に広がっていた。その傍らでキタキツネが興味深そうにこちらを向いていた。


【キタキツネ物語】

1978年:日本映画

監督:蔵原惟繕

概要:北海道の大自然を舞台に、キタキツネ一家の温かくも厳しい生活を追いかけたドキュメンタリードラマ。


クンクンクン

 鼻を掠めた夏風は、美味しそうな匂いも運んできた。

「何の匂いやろう?」

「そうやな」

 じゅんぎ君が、くんくんと鼻翼を目一杯に広げて匂いの先を探していると

「メ~~~、メ~~~~」

 可愛い羊のかわいい声がして、いきなり

「空腹感が」

「ほな、行くで」

「位置に着いて、よ~い」

 ドンと言う前に、じゅんぎ君が全力疾走した。

 こういう時は、次の一手を講ずる。

「じゅんぎ君!」

「何や?」

 じゅんぎ君が振り返った。途端に、猛ダッシュ。

「何でやねん!」

 じゅんぎ君が、激しい勢いで突進してきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ