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魔導書になったご先祖様とオレの冒険譚  作者: タク44
 第二章 傭兵王国編
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 第二章 第1話 見た目じゃないな

 

 腐食の遺跡を攻略後の、朝にクロスが一冊の本を出してきた。


「なんだ、その本は?」


『コレは、アイス用の魔導書じゃ』

 

「私、ですか?」


 突然、何を言ってるんだ? 魔導書はどこから出てきたんだ? 


 オレとアイスが意味が分からず。謎のまま、パンにベーコンと卵焼きを乗せた、朝飯を食べていた。


『実はのう、この魔導書は、左腕乃浸食者なんじゃよ』


「グハッ! の、喉が! パ、パンが!」


「ユウ! ミルクですよ」


 アイスから、ミルクをもらい、一気に飲み干す。


 危なかった。こんな事で、死んだら笑い者だ。


「クロス! 殺す気か!」


 左腕乃浸食者は、かつてクロスと共に神と戦った神官で、グラディウス・アメリアさんで、アメリア王国を作った人らしい。


 神の呪いにより、左腕乃浸食者になってしまい。

 苦しみは続いたが、死ぬ事もできず、呪いにより生きている者を憎むようになったようだ。


 最後の望みは、呪いからの解放で、オレが呪いを解いたから協力してくれるそうだ。


「なるほど、クロスにはオレ、グラディウスさんにはアイスって事か?」


『グラディウスは強いぞ。サポートと回復の天才じゃからな。まっ、ワシと違い、魔導書の状態だと、所有者のサポートしか出来んがな』


「逆に何で喋ったり色々出来るんだよ」


『それはな、ワシが超超天才の魔道士だからじゃ』


 どんだけテングなんだよ。高笑いするクロスにアイスが申し訳なさそうに話す。


「いいんですか? ユウから聞いた話だと、大切な方ではないんですか」


『良いのじゃよ。アイスが使ってくれたら、コイツも喜ぶ……どうしても、礼がしたいらしいからのう』


 数千年に渡る苦しみからの解放。どれだけ苦しかったのだろうか……クロスに聞いて、グラディウスさんの気持ちの一端でも、理解できるのだろうか。


「わかりました。よろしくお願いします、グラディウスさん!」


 真っ白な魔導書に、挨拶をするアイスに、クロスが言った。


『その魔導書は、元々ワシが作った物じゃ。"煙霧の白"それが魔導書の名前じゃ』


「どうゆう事だ?」


 クロスが神と戦う前に、仲間達に魔導書を一冊ずつ作成した。所有者の力を数倍にする程の強力な魔導書を、全部で11冊作ったようだ。


「その一冊が、"煙霧の白“か……」


「そういえば、よかったんですか? アメリア王国に呼ばれたのに無視して……」


「いいんだよ。政治に利用されるだけだぞ」


 アイスが心配していたが、英雄とか言い出してから、プロパガンダに利用されるのはごめんだ。


『ユウは、そうゆうのは嫌いか?』


「自由に旅をしたい……クロスの願いを叶えながら、アイスと美味い物を食べて、色んな所を見て回るのは、駄目かな?」


「ダメじゃないです! そうですね、愛する2人の旅ですもんね」


『そうか……マリアと同じ事を言うのだな』


 クロスは、悲しそうに呟くとマリアさんの話をしてくれた。


 マリアは、武道家でクロスとは意見の食い違いから良く喧嘩をしていたが、自分にない所と自由奔放な所に惹かれて、付き合うようになった。


 神との戦いの後に、世界中を2人で自由に旅をしようと約束をしていたそうだ。


『何の因果かのう、まさか、ひ孫とあの約束を果たすとは……』


「クロちゃん、ユウのお爺さんなんですか?」


 驚いているアイス。


「クロスは、ひい爺ちゃんだぞ? 前に、言わなかったか?」


「言ってないですよ! アイスです! ユウとお付き合いをしています」


『とっくに、知っとるわい。落ち着くんじゃ』


「私、いつの間にか、家族公認の仲だったんですね。デェへへへ……」


 アイスは、完全に顔が溶けていた。


 朝食後に、次の国への道を行く道中に山賊が馬車を襲っていた。


「お前達、金目のもん置いて行け!」


 ザ・山賊みたいな奴等が、オレとアイスに気づき叫んでいた。


「前もあったな……治安、悪過ぎるだろ」


「確か、ここ傭兵の国スペルは、1年中戦争をしていて、戦争中の他国に参戦するような国なんですよ。だから、傭兵崩れが悪さをするんです」


『ようは、雑魚じゃな』


「なるほど、なるほど。お前達いいのか? オレ達を襲って?」


 まったく怖がらないオレ達に、疑問を持ったのか山賊達が、ざわめき始める。


「ま、まずいぞ。アイツら、Aランクの冒険者だぞ!」


 冒険者用のプレートに気づいた山賊が、馬車から人質を取る為に、馬車をこじ開けると、真っ白な髪の女の子。真っ黒な髪の女の子。同じ顔をした双子の子供のシスターを連れて来た。


「子供を人質とはな……無事に帰れると思うなよ!」


 切れかけていたせいか、一瞬の出来事に理解出来なかった。


 双子のシスターが、両袖から折り畳み式の鉄棒を取り出し、捕まえていた山賊を殴り倒し、周りの山賊を襲い始めていた。



 




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