三話
文字数が……文字数が少ない……っ!
さて……どうしてこうなった。
体育のバレーの時間。相手は飯塚チーム。すっごいデジャブを感じる。
こちらのチームは俺と翔太が対角で組んでおり、いろはが俺の隣にいる。
そして、試合の始まりはまた飯塚のサーブから。あ、思っきり俺に向けて指さしてやがるあいつ。
ピーッ!と教師が笛を吹く。飯塚はタンッタンッとボールを二回ほど地面にたたきつけ、ボールを上に放った。
「……………っ!?」
た………たけぇ!?前見た時よりも高い!?あいつ成長しすぎじゃねぇ!?
グインと腕がムチのようにしなり、バゴン!と物凄い音を響かせながら俺の元へ一直線にやってくる。
土台を作り、しっかりと腰を落として――――
「ふぐっ……!?」
い……痛てぇ!?この前より威力も回転も上がってやがる……!?これは……俺が知ってる翔太よりも強い!?
しっかりと正面で取りえたはずのボールはあらぬ方向へ飛んでいき、俺はその衝撃で尻もちを着いてしまった。
「いってぇぇ!?」
「緑!?」
「みーくん!?」
心配した翔太といろはがかけよる。他のチームメイトもこちらへやってきた。
「いってぇ……腕持ってかれるかと思った……」
付いてる?俺の腕……良かった。しっかりとくっ付いてるよ。
あれ……こう、皮膚がえぐれる感覚……分かる?あれめっちゃ痛いよね……。
ボールを受け止めた所がジンジンと赤くなっている。まだヒリヒリするんだけど……っ!
「痛いの痛いのとんでけー!」
「あ、やべぇめっちゃ飛んでった」
いろはが赤くなっているところをさすってくれたことと、可愛さによる二重コンボによって俺の痛みはほんとにどっか飛んでった。
そしてやる気がもわもわと出てきた。
「痛いの痛いのとんでけー」
「やめろ翔太気持ち悪い」
「………ひっでぇ……」
一瞬痛み戻ってきたんだけど。
「いろは、ありがとう」
「ううん。どういたしまして」
俺がニコッと微笑むと、いろはも笑顔で返してくれた。可愛えぇ……。
「……うおっほん!おっほん!」
「……どうした?翔太」
翔太が急に村長みたいな咳払いをしたため、翔太を見る。すると、翔太が指をさしている先を見ると……
「「「……………」」」
「「……あっ」」
チームメイトが少し顔を赤らめさせながら、変な方向を向いていた。
「みーくん!みーくん!」
「どうしたいろは」
「今日ね!あの『幼馴染に1万回告白した』で有名な本町かまくら先生の誕生日なんだって!」
「え……そうだったのか!」
「しかも16歳だって!若いね!」
「ほんとだ。作者が小説書き始めた頃だね」
「すごいね!若いのにランキングにも乗ってるもん!才能ってやつだね!」
「だな……かまくら先生。誕生日おめでとうございます」
「私達『彼女欲しいって呟いたら幼馴染が恋人になっ件』……通称『おさこい』はかまくら先生を応援しています!」
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結月アオバ