それは全ての始まりからしれないし終わりかもしれない
読者の皆様初めまして。
白紙真白です。
今回が初めての連載となります。
何かと至らない点があるかと思いますが
アドバイスや応援のほど
お願い致します。
小鳥の囀りが聞こえる。それを合図にした様に、人々が動き出す。なんの変哲もない、辺境の小さな村。特に変わったことも無く、特別有名な場所がある訳でもない。そう、ただの村だ。
「ハイド~起きなさいよ~」
ああ、また聞こえてくる。この眠りと言う天国から
現実へと戻される、優しい様な騒がしい様ななんとも言えない声が・・・
「はいはい、今起きるって 」
「もう、いつもお母さんが起こさないと
起きないんだから」
「貴方、来月には16よ? 今度からは学院で生活することになるんだからね。」
「はいはい、わかってるっての!」
「全くもう、早く朝ごはん食べなさいね」
そう言って、母は出掛けて行った。
俺は来月16になる。それと同時に、ここから
何千キロも離れた、大都市「チェル二」にある
国立「クーデリア魔術学院」の試験を
受けることになっている。
自分の息子が
この村から初めて、魔術学院に通うかもしれない
子なのだ。
母さんが、私生活について
口うるさく言うのも
わからないでもない。
第一、魔法が使えるのも、この村では珍しいのだ。
仕方がない事だった。
「さて、そろそろ修行しに行かないとな」
朝ごはんを食べながら、呟く。
俺は毎日の様に修行をしている。
これも魔術学院に入るためだ。
学院に入るには、入学試験を受けないと
いけない。
当たり前ではあるが、そう簡単な
ことではない。
国立、つまり国そのものが支援しているのだ。
ちょっとや そっとでは受かる筈がない。
親にも受けるべきではないと言われた。
現に入学してるのは、生まれつき魔力の高い貴族や、代々魔法を踏襲してきた名門家ばかりだ。
だから、合格するには、修行が必要だった。
軽く食事を済ませ
服を着替えて外に出ると、
太陽の眩しい光が降り注いできた。
「うん、絶好の訓練日和だな!」
いつもの、訓練場所に行こうとすると、ふいに呼び止められた。
「ハイド~ おはよう。」
そう言ってきたのは、
この村の村長の娘カレンだった。
「ああ、おはよう。」
「今日もいつもの場所でしょ? はい、お弁当」
「いつもすまんな。どれどれ お、サンドイッチか」
「うん、昨日、畑で野菜採ったからね。
美味しいはずだよ!
じゃあ、私、家の手伝いしないといけないから、
もう行くね? 訓練頑張って。」
「ああ」
彼女は笑顔で手を振りながら去って行った。
「よし、行くか!」
そう言っていつもの道を
歩いて行く。
そこは、無数の木と苔の生えた大きな岩がたくさん
ある、森に行けば、
どこにでもある様な風景だった。
ただ、他と違うのは、その辺りの木や、
岩に無数の穴やひび割れ、
綺麗に切断されたものまである。
一目で何かがここであったと分かる。
そんな場所が俺の修行場だった。
ここでは、かれこれ2年ほど
修行している。
どれほど時間がたっただろうか?
いつも修行をしていると、時間を忘れてしまう。
そう物思いにふけっていると
ぐ~ っとお腹がなった。
「そろそろ飯にするか」
ハイドは、先程カレンから貰ったサンドイッチの
入った、バスケットから
1つサンドイッチを取り出すと
頬張った。
「美味い!」
さすが、村長の娘である、料理の腕も見事だった。
食べやすい大きさにカットされた、新鮮な野菜と
これまた薄くスライスされたハムの上に、
よく味付けされた卵がのっていた。
その後も食べ続け、いつの間にか
全部食べてしまったようだ。
見た目こそ質素だったが、
十分に美味しい昼食だった。
昼食を食べ終え、もう少し鍛錬しようと
立ち上がった瞬間、
「1人・は・・・嫌 誰か・・・けて」
そんな今にも消えてしまいそうな声がした
「っ 誰かいるのか!?」
返事はない
あるのは、荒れ果てた修行場だけだ。
もう一度叫んでみるが、やはり返事はない
「いったい何だったんだあれは?」
不思議に思いながらも、幻聴だと割り切って
鍛錬しようとした時、
ハイドはそれに気付いた。
「なんだこれは?」
そこにあったのは、少し小さめの岩に
描かれた幾何学模様だった。
だが、明らかにおかしいのである。
何故なら、ハイドは幾度となくここを訪れている。
そう、ほぼ毎日と言っていいほどに
普通なら気が付く筈である。
だとすれば、
さっきのの声と関係しているのではないか?
そんな考えが頭を過ぎる。
ハイドは気になり
もっと近くで見ようとした時、
世界が闇に包まれた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
これからも連載していきますので、
応援よろしくお願い致します。
では、次話でお会いしましょう!