第二章 1
昨日バンドのライブも無事終わり意気揚々と小説を執筆……しようと思ったけど、今日は雨ですね。テンションが上がらずあまり書けてません。そんなこんなで第二章、お送りします。一章の流れなどどこ吹く風での日常パートです。
ピピピピピピ……。
耳元で間の抜けた電子音が連続して鳴っている。無視しようかとも思ったが、あれを止めなければ二度寝することすらままならない。
布団から腕を伸ばし、騒音の元を叩いて止める。ついでにアナログな文字盤を見やり――
「……あれ?」
針の位置がおかしい。
いつもより1ラジアンくらい進んで見えるのは気のせいだろうか。寝ぼけた頭のせいで初期位相がズレているのだろうか。
……きっとそうだな。よし、寝よう。
「――起きろ!」
二度寝を決意した瞬間、妨害が入る。
バンッ! と開かれるドア。
侵入者はズカズカと部屋に入り――
「ぬぐぉっ!?」
布団が剥がされ、ベッドから蹴り落とされる。
「――いでっ?!」
……着地態勢をとれるかとれないかで、身体に走る衝撃は天と地ほどの差が生じる。今、久しぶりにそれを実証したところである。
「馬鹿野郎!」
頭上から振る叱責の声。
「寝ぼけていても受け身くらいとれるようにしろ!」
……そっちかよ!
いつまで寝てるんだ、じゃないあたりがさすが兄貴だ。
「……目が覚めたか?」
「さすがにあんだけ手荒な起こしかたをされればね……」
したたかにぶつけた腰をさすりながら、俺は立ち上がる。
そう、このお方は俺の兄貴だ。自分と違ってがっちり筋肉がついた身体は立派な体育会系男子のもの。だが成績もいい。おかげで自分は、兄貴にアタマが上がらない。社会的にも物理的にも厳然とした差がそこにはあるのだ。
「じゃあ覚めた頭でもう一度時計を見直してみろ」
そういい置いて兄貴はさっさと去る。どうやら俺を起こしにきたのは出かけるついでらしい。
……まったく。どうせ起こされるなら「お兄ちゃん起きてよ~」とかいう可愛い妹にして欲しかった。
だが、悲しいかな。
自分には妹はおろか姉すらいない。ウチの兄弟は兄貴と俺の二人だけ。そんな汗臭い家族構成てある。
「さて……」
覚めた頭でもう一度時計を見直してみる。
…………。
……………………。
………………あれ?
時計の針が妙に進んで見える? 馬鹿言うな、これは幻覚だ。
部屋の温度差が妙に作用して光の屈折を起こしているのだろう。そうだ、きっとそうに違いない。
…………大丈夫だ、問題ない。
寝ても大丈夫。
――そうだ……無理はしない方がいい……。はやく、睡眠をとるのだ。今休息をしなければ貴様は大変なことに…………――
「――寝るな!」
「うげ?!」
ベッドにダイブした瞬間、いつの間にか戻ってきた兄貴に後ろから蹴飛ばされる。
「じゃあ俺は行くからな。……鍵を閉めておけ」
「めんど――」
「――閉めておけ」
笑顔でゆるりと拳を構える兄。
「あ、……いやもちろん、喜んで閉めさせていただきます!」
……鍵持ってるんだから自分で閉めろよ、とは言わない。
自分より強い者には逆らわない。これは数少ない人生の教訓である。
「よし」
鞄を引っ掴み、さっさと家を飛び出る兄。勢いよく開かれたままの扉を閉じ、鍵を閉める。……まったく、体育会の後輩みたいに人を顎で使うのはやめて欲しいものだ。
「さて……起きるかな」
ウチの家族はすべからく早起きだ。共働きの親は朝早くから仕事に出て行き。俺が起きる時間くらいに兄も出て行く。そうして俺一人で朝飯を食う。家族団欒的なことができるのは夕食時だけだった。
さて、今日もぬるぬる学校生活を送りますかね。
朝食はパンと卵で充分。なぜなら、俺はそれしか作れないからだ。
特にオチもない話ですね。すいません。ここに来てクオリティが落ちていたらごめんなさいです。日常ものはそこまで得意じゃないので。でも物語には日常シーンは必ず必要なんですよね……。これまで読んで下さった読者様はどうか見放さないでやって下さい m(_ _)m