001 - 邂逅、召還、そして異世界へ
まずは邂逅となります。
主に主人公視点となります。
彼は久しぶりに懐かしい夢を見た。
小さい頃は毎日見ていた夢だ。
この夢のせいで彼は小さい頃殆ど友達がいなかった。
そして周囲の大人たちにも狐憑きの子供でも見るような目で見られていた。
それもそうだ、夢での話が突飛過ぎる上に子供が語る夢の話にしては具体的過ぎたのだから。
魔法を習ったとか、剣の練習をして凄いと褒められたとか。
空飛ぶ馬がいたりとか、じゃもじゃの小さいおじさんがいたとか。
思いつきのように語ったのなら"へぇ~"で済んだかもしれない。
しかし毎日の様に今日はああだった、こんな事をしたと言われれば、
いくら子供でも異常に見えるというものだ。
スッ
夢の中でそんな回想をしていたとき不意に目の前に女の子が現れた。
金髪の綺麗な容貌の女の子だ。
年は彼と同じくらいだろうか。
身長も170cmの彼より少し低いくらいだ。
彼が突然の女の子の出現とその容貌に思考の整理がつかないままボーっとしていると不意に女の子が彼に近づいて来た。
「あの、ソースケちゃん?ソースケちゃんだよね?」
「??君は??」
(うーん、思い出せない。。。ってかここオレの夢だよな?)
その言葉を言った瞬間女の子が酷く狼狽えた。
「!?私よ、エスネリア=フィーブスよ!昔はリアって呼んでくれたじゃない!」
「ん~・・・・」
(昔小さい子と遊んだ記憶はあるけどこんな子は知ら・・ないなぁ?)
既に女の子は泣きそうだ。
「っ!!お城の木の下で大人になったら結婚してくれるって言ってくれたのは
嘘だったの!?」
その言葉を少女がリアが言った瞬間、彼はソースケはハッとした顔になる。
「えぇ~~~!?もしかして、あのリアちゃん?あの真っ白なお城の図書館で
かくれんぼしたり、魔法を一緒に習ったりした?」
「そうよ。思い出してくれた?」
そういってにっこりと太陽のような笑みをこぼした。
「うん、大きくなってて、っていうか綺麗になってて分からなかったよ。」
(すげーとしか言えない・・・)
その瞬間ボンッっと音が聞こえそうな程リアは真っ赤になった。
「そ、そ、そそそそんな事ないよ。ソ、ソースケちゃんもかっこよくなったね。
最初見たときとってもドキドキした。」
上目づかいでソースケを見るリア。
「ぅぁ」
そして撃沈。
双方真っ赤なまま暫く時間が過ぎる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな沈黙から先に復帰したのはリアだった。
「で、でね、私もあれから色々勉強して色々な魔法が使えるようになったの。
今じゃ『叡智の姫』なんて呼ばれてるんだよ。」
「そ、そうなのか。」
「うんっ!」
そして眩しく笑う。
「っ!」
(ダメだ。何かオレの中の色々なものが何かダメになった・・・)
「でね、そう言う事だから。一回家≪お城≫に来てね?」
ソースケの前でクルリと回って見せる。
ドレスの裾がフワッと広がる。
「え?城に?ってかこれオレの夢だよな??」
「それは目を覚ましてからのお楽しみ!」
そしてゆっくりと、夢の中にも関わらずソースケの意識は白くなっていく。
取り敢えずプロローグです。
不定期ですががんばります。