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『双璧、戦場を断つ』


宙を舞う数十トンの装甲車。血を吐き、為す術もなく崩れ落ちる連合の術者たち。絶望の暴風が吹き荒れる防衛線に、涼やかな、だが絶対的な自信に満ちた男の声が響き渡った。


「――下がっていろ。ここからは、俺たちの仕事だ」


最前線に歩み出てきたのは、TIA代表・風間助平の孫にして次期トップ候補の『武器の天才』、風間洋助だ。

彼が身に纏っているのは、旧帝國の遺産を現代技術で昇華させた漆黒の『対霊戦術防護外套タクティカル・シュラウド』。編み込まれた霊導繊維が青白い術式光を明滅させ、狂鬼の放つ呪詛の衝撃波をオートマチックに弾き落としている。

そしてその手には、洗練された殺意の結晶――【八雷神】の遺産をブレード化した『九式・霊子振動刀スピリット・ハイレゾナンス建御雷タケミカヅチ》』が握られていた。鍔元に備えられたシリンダーが圧縮された霊素を刀身に送り込み、高周波の共鳴音を鳴らしている。

そして彼の隣には、古代神術の大家・『八咫烏』の令嬢にして、日本トップクラスの実力を持つ洋助の婚約者、葉室桐子が並び立つ。

彼女の装いもまた、古式ゆかしい純白の巫女服と現代の装甲技術が融合した特注の『装甲神術礼装・天叢雲あめのむらくも』だった。防刃・耐呪仕様の呪符クロスに、要所をカーボン装甲で保護したその姿は、神聖でありながら極めて戦闘的だ。


「洋助の後ろに隠れて震えていなさい、烏合の衆。……あの汚らしい瘴気、私がすべて祓って差し上げますわ」


桐子が古代神術【浄化の極致・天照あまてらす】を展開した。彼女から放たれた眩いばかりの白銀の光が、狂鬼の分厚い瘴気を跡形もなく蒸発させ、その霊体を完全に丸裸にする。

自身は神術を使えない洋助だが、刀身を鋭く鳴らしながら甘く微笑んだ。


「すごいな。君の浄化の光は、どんな宝石よりも美しくて目が眩みそうだ。……俺の剣にも、少しその光を分けてくれないか、桐子」


「ッ……! 洋助ったら、もう……ッ!」


桐子の嫉妬と愛情で限界突破した「絶対浄化の光」が、洋助の刀へと流れ込む。

霊子振動刀の刀身が、圧縮された霊素の青と、天照の白銀が混ざり合った「極光の刃」へと変貌した。


「シッ――!」


洋助は神速の踏み込みで狂鬼の懐へと潜り込んだ。


「断てッ!」


超絶なる甲高い共鳴音。洋助が刀の柄にあるトリガーを引いた瞬間、刃から爆発的に推進力が生み出され、白銀の光を纏った一閃が、狂鬼の巨躯を袈裟懸けに両断した。

呪詛の塊であった狂鬼は、内側から光に飲まれ、美しい光の粒子となって爆散し消え去っていく。

二人の圧倒的なコンビネーションにより、異界の最深部へと続く道が開かれた。

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