「24歳までにお互い独身だったら結婚しよう」と冗談で約束した同期にプロポーズされています
「結婚しよ」
24歳の私の誕生日、てない同期はそう口にした。
「……は」
「だって誰とも婚約してないんだろ」
同期のリゲルはさも当然かの様に口にした。
レベッカとリゲルは魔法局の同期だ。
同期の中でも一際美形で公爵家三男散々縁談が来ていたはずだ。
くりっとした瞳を縁取るまつ毛が今日も麗しい。
対してレベッカは田舎の子爵令嬢で、実家は弟が継ぐことになっている。
縁談の話もなくはなかったが、何度か持ち上がっては顔合わせの前に有耶無耶になっていた。
確かに二十一歳の同期会で「24歳までにお互い独身だったら結婚しよう」なんて約束をしたけれど、
まさか本気にするなんて。
寮の共用スペースで同期から簡単な誕生日祝いをされた後、二人きりになった流れでのプロポーズだ。
「え、私のこと好きだった、とか?」
冗談だよ、と返ってくるつもりでおどけて口にした。
「そうだよ」
「…うぇ」
リゲルが淡々と答える。
手を取られそのまま口元に寄せられる。
「ちゃんと大事にする、選んだことを後悔させないから」
「レヴィ」
リゲルがまた一歩近づく。耳元で酔った際に教えた家族からの愛称を呼ばれる。
「結婚しよ」