第55話 『“嫁ポイント制”導入──愛の偏差値を競え!』
「では、発表します!」
朝。朝食の席。
妹・久慈川幸香が、ホワイトボードをバーン!と叩いた。
その上には──
【兄嫁ポイントランキング表】
ヒロイン朝食点スキンシップ点癒し点“ときめき”点合計
歩美--------0pt
舞香--------0pt
玲奈--------0pt
幸香(妹)--------0pt
「……これ何?」
俺がドン引きすると、幸香は満面の笑みで答えた。
「**『兄を最も幸福にしたヒロインが“嫁”である』**という理念に基づき、
公正かつ透明な加点方式を採用したシステムです♥」
「誰がそんな理念制定した!?」
「ちなみに、評価者は“兄本人”です」
「地獄だよ!!!」
***
【第1競技:朝食バトル】
その日の朝。
俺が部屋から出ると、
4人のヒロインがテーブルに各々の料理を並べていた。
・歩美:焼き魚と味噌汁の和食定食。
「文句あったら殺すから」
→香りで涙出るほど美味い。普通にプロ。
・舞香:英国風の朝ティーセット。
「紅茶はダージリン、スコーンには自家製クロテッドクリームですの」
→貴族の朝かよ。なんで食器まで金縁なの。
・玲奈:白米、味噌汁、納豆のみ。
「質素に見えて、実は“毎日続けられる味”がテーマなんです」
→地味だけど沁みる。エモい。
・幸香:兄の大好物オールスター+キャラ弁仕様。
「朝から“萌え”と“エネルギー”のフルコンボよっ♥」
→おにぎりに「大好き」って書いてある。重い。
最終的に、俺は4人分すべて完食した。
お腹がはち切れるかと思った。
「じゃあ、評価してもらおうかな?」
「“嫁として一緒に暮らしたい朝ごはん”ね?」
「“愛が詰まってた料理”でしょ?」
「ううっ……選べねえ……!!」
【第2競技:スキンシップチャレンジ】
妹が持ち出したルールブックによると──
“兄に自然に触れることで、愛情レベルを可視化する”らしい。
「ハグ=10pt、腕組み=7pt、太もも乗せ=15pt、耳への息吹き=20ptです♥」
「キス=100pt(ただし直後に全員と地雷判定会議)」
「最終戦争前提じゃねぇか!!」
午前中。
俺が宿の廊下を歩いていると──
●歩美「ちょっと寒くない? ……手、貸しなさい」→腕組み発生(+7pt)
●舞香「こけそうになりましたわ♥」→抱きつき事故(+10pt)
●玲奈「……先輩の背中、触ってみたいと思ってたんです」→背中タッチ(+5pt)
●幸香「じゃあ私は──おでこ、コツン♥」→額同士の接触(+15pt)
「理性が!!! あと15分しか保たない!!!」
【第3競技:癒しボイス選手権】
妹が持ち出した、スマホの録音機能。
「“お兄ちゃんが寝る前に聴きたい”セリフで、
ときめきを与えた者に加点です♥」
ヒロインたちが順に録音する。
●歩美:「……今日も、疲れたわよね。ほら、おでこ出しなさい。トントンしてあげるから」
→“幼なじみ母性”炸裂。評価:やさしさ爆撃
●舞香:「寝る前のキス……しなくても、私、ちょっと寂しいですわ」
→“あざとお嬢様”特化。評価:誘惑的すぎる
●玲奈:「……先輩の寝息、毎晩録ってます。逆に送りますね」
→サイコパス枠。評価:破壊力高いが危険
●幸香:「……お兄ちゃん? 今日も生きててえらいっ♥」
→妹。完全に妹。評価:妹。
「どれも尊い……でも!! 選べねぇ!!」
***
夕方。
ランキング表が更新された。
【兄嫁ポイント暫定ランキング】
ヒロイン朝食スキンシップ癒しボイス合計
幸香(妹)20pt15pt20pt55pt
歩美25pt7pt15pt47pt
舞香20pt10pt15pt45pt
玲奈18pt5pt12pt35pt
「くっ……まだ逆転は可能よ!!」
「明日は“甘噛み点”があるんだから!」
「は!? 何そのジャンル初耳なんだけど!!」
地雷の炎が、さらに熱く燃え上がるのだった──




