表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/87

第38話 『兄のパンツ展覧会』

──その計画書を見た瞬間、俺の脳内はフリーズした。


 


【開催企画案】

『久慈川幸喜パンツ展覧会──布と記憶と、君への偏愛──』


会期:未定(文化祭 or 妹による単独開催)

会場案:旧美術室/学外ギャラリー(交渉中)

展示物:

・高校入学時の初下着(ポリエステル製・使用感強)

・勝負パンツ各種(ラノベ執筆日対応)

・布団内撮影映像ルーム(本人出演)

・香り付・体温残留パンツ(要冷蔵)


コンセプト:「兄の存在証明を、布で語る」


 


俺・久慈川幸喜(17)は、限界を迎えていた。


「俺の……青春が……パンツに……変換されようとしている……ッ」


 


机に突っ伏してうめいていると、ドアがバンッと開く。


 


「幸喜!! ちょっと聞いたんだけど!!」


 


「これはもうアウト通り越して犯罪ですわッッ!!!」


 


──現れたのは、幼なじみ・袋田歩美と、転校生・舞香・A・C・リーヴス・天城。


 


歩美の顔には怒りの鬼が宿り、

舞香の目は理性を超えた“王国の誇り”で燃えていた。


 


歩美「何よ“兄のパンツ展”って!! 馬鹿なの!? 妹、馬鹿なの!?!?」


舞香「国家によっては、処刑または布処分命令が下されますわ!!」


 


 


 ***


 


その数分後──


リビング。

“妹、事情聴取”が始まった。


中心には、計画書を前に満面の笑みを浮かべる妹・幸香。


 


幸香「えっへへ~♥ ようやく理解が追いついた?

これが、アニメ人気に乗ったブランディング展開だよ!」


 


歩美「バカじゃないの!?!?」


舞香「いやむしろ、恐怖を超えて芸術なのでは……」


俺「ちょっと待って、展示って何? 俺のパンツを、何? 額装して? 照明当てて? タイトルつけて? 来場者投票?」


幸香「うん♥ “兄の温もりグランプリ”も企画中だよ♪」


全員「やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


 


 


 ***


 


そして翌日──


妹の“パンツ展”計画は、学内に漏れた。


なぜなら、既にチラシが刷られていたからだ。


 


【予告】

『パンツは語る。兄という名の芸術を──』


特別展示:“リアル兄使用済”コーナー開設


来場者特典:

・香水付きポストカード(妹自家調合)

・“兄の洗濯ばさみ”レプリカ

・朗読劇『パンツ、その愛の軌跡』


 


──校内騒然。


SNS炎上。


風紀委員激怒。


そして何より──


ヒロインたちの怒りが爆発。


 


玲奈「風紀委員会から、“展示申請却下”通達が届いています」


歩美「当然でしょ!!!!」


舞香「むしろ、あの申請が通ると想定してたのが信じられません!」


 


だが、幸香は――折れない。


むしろ、燃えていた。


 


「たとえ校内がダメでも──路上展示、個展、配信ギャラリー、方法はいくらでもあるよ♥」


 


俺「マジで誰か止めてくれえええええ!!!!」


 


 


 ***


 


その夜。


妹の部屋の前で、俺は思い切って声をかけた。


「幸香……頼む、パンツは、やめよう。

俺の青春を布にするな。俺は、俺なんだ。

お前の兄で、ラノベ作家で、普通に悩んでる高校生なんだよ……」


 


──扉の向こう。


しばらく、沈黙が続いた。


そして、小さく──本当に小さく、声が返ってきた。


 


「……でも、布だけが、残るんだよ」


 


 


 ***


 


【添えられていたパンツ展示リスト(幸香作)】


「初めて“お兄ちゃん”って呼んだ夜のパンツ」


「夏祭りで浴衣の下に履いてた兄のパンツ(※着替え)」


「ラノベ新人賞受賞翌朝・祝福パンツ」


「私が風邪ひいた日、お兄ちゃんが看病してくれた時の下着(兄の)」


 


──展示、断固拒否。


だが、戦いはまだ終わっていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ