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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
98/342

生き延びた二人

脱獄してから半日が経過した

気を失った状態で謎の男に連れられたヴァイオレットは王都シャンデラから遠く離れた場所で目を覚ますこととなった



『うぅ……あれ、私確か地下の水道にいたはず……』



目を覚ましたヴァイオレットがいたのは見知らぬ洞窟の中

あの時襲われた激しい頭痛は無くなっており体も動かせるようになっていたので立ち上がり辺りを散策したが、周囲には自分以外誰もおらず助けてくれたであろう人物は見つけることができなかった



『あの人誰だったんだろう……でもなんだか凄くあったかかったな。まるでお父さんみたいな……そうだルージュ!ルージュどこ!?』



自分の近くにルージュがいないことに気づいたヴァイオレットは名前を呼んでルージュを探した

しかしどこを見渡しても姿が見当たらないと次第に不安が募っていき目に涙が浮かんできた



『こんな場所で一人なんて嫌だよ……私を一人にしないで……』



一人でいると頭痛に襲われた時見たあの謎の記憶が蘇ってきてヴァイオレットは洞窟の中で一人小さく縮こまってしまった

外に出て探しに行けばいいだけというのは分かっていたが、何故かその一歩を踏み出すことが出来ないでいた

暫く洞窟で子供のように泣きべそをかいていると、外の方からパタパタと翼をはためかせている音が聞こえてくる

次第にその音は大きくなり、やがて洞窟の中に小さな影が姿を現しヴァイオレットに語りかけてきた



『あっ!ヴァイオレット様!起きたんだね!』

『ルージュ!よかった……!無事だったんだね』



ルージュの姿を見るとヴァイオレットの顔がパッと明るくなる

最後に見た時ルージュの体には傷がたくさんついていたが、その傷が綺麗に無くなっていた

元気に飛び回る姿のルージュを見てヴァイオレットは一安心し、そこでようやく違和感があることに気がついた



『ってルージュ……もしかして今喋った!?喋れるようになったの?』

『うん、僕もよく分からないけど目が覚めたら喋れるようになってたんだ』

『そうだったんだ。お話できるようになって嬉しいな』

『ヴァイオレット様とお喋りできるようになって僕も嬉しいよ。それよりどうして泣いてたの?何かあった?』

『ううん、なんでもないよ。それよりどこに行ってたの?なんだか血の臭いがするけど』

『そうだった!こっちこっち!』



ヴァイオレットの手を取り引っ張って洞窟の外へと連れ出そうとするルージュ

不思議と一人では踏み出すことが出来なかったのにルージュと一緒であれば外へと出ることできた

洞窟から少し離れた場所まで歩いていくと猪型の魔物が倒れているのを発見した



『起きたらお腹が減っちゃったから洞窟を出て近くにいた魔物を狩ってたんだ。一緒に食べよヴァイオレット様』

『そういえばお腹ペコペコ……よし、早速火の準備しないとね』



ルージュを見つけ安心したことで空腹が一気に押し寄せてきたヴァイオレットは、これまでまともに食事をとれてなかったこともあり急いで狩った魔物を洞窟へと運び腹に入れることにした



ご拝読いただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新章が始まりましたね。これからの物語を楽しみにしています!
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