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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
95/342

謎の男

『ギャッ!』

(ルージュ……)



ヴァイオレットを守る為に魔法騎士団を相手に立ち向かったルージュ、だがその奮闘も虚しく地面に叩きつけられてしまった

普段のルージュであればこの人数を相手にしても問題なかったかもしれないが、守る対象がいるのとヴァイオレットが死なせないようにと命じた枷のせいで力を発揮できなかった



『中々手こずらせてくれたな』

『だがこれまでだ。死刑執行に取りかかるぞ』



気がつけばミーシャの姿が消えていた

ヴァイオレットもどうにかしてルージュを回収しこの場から脱出しようと試みるが、今まで味わったことのない激しい頭痛が未だに続いているせいで逃げるどころかまともに立ち上がることがさえできない状態にいた

これまでかと思ったその時、ヴァイオレットの胸元が突然光りだした



『なんだ!?』

『全員離れろ!』



異変を察知した騎士団の者達は警戒してすぐさま後退する

ヴァイオレットが何かしたわけではない

当の本人でさえ何が起こっているのか分からない状態



(なに……?何が起こってるの?)



頭痛に襲われながらヴァイオレットは胸元へと手を動かす

光を放っている物体を胸から取り出すとそれは旅立つ時にイグニスから受け取った爪だというのが分かった

お守りだから肌身離さず持っていろというイグニスの言葉を守って身に着けていたが、これに実際何の効果があるかは不明なままだった

輝きはどんどん強さを増していき、暗い地下を昼間の様な明るさにしていく

するとその光の中から人影らしきものを現れるのを確認したが、そこでヴァイオレットは限界を迎え意識を失ってしまった



『な、なんだったんだ……?』

『ただの目くらましか……?ん?誰だ貴様!』



騎士団の者達が目にしたのは先程までそこにいなかった執事服を身に纏った老齢の男性が立っていた

男は気を失っているヴァイオレットに目をやると優しい目を向けて抱きかかえた

そのまま倒れているルージュも一緒に抱え上げてその場を立ち去ろうとする

しかしそれを騎士団が許すはずもなく、がら空きの背中に剣を向ける



『止まれ!その女をどうするつもりだ!』

『その者は大罪を犯した犯罪者。大人しくこちらに引き渡してもらおうか』



騎士団の言葉を受けると男が立ち止まる

始め見た時は何のプレッシャーも感じないただの爺にしか思えなかった

だがそれはとんだ思い違いだったとすぐに理解する

ふつふつと湧き上がってくるプレッシャーにその場にいた騎士団全員が指一本動かせなくなってしまう

男はゆっくりと振り返り鋭い眼光を騎士団に向け口を開いた



『この()に手を出してみろ。国諸共塵すら残さず消してやるぞ』



その言葉を聞いた途端、全員がプレッシャーに押し潰され泡を吹いて失神してしまった

それを見た後男はヴァイオレット達と共に姿を消した



ご拝読いただきありがとうございます!

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