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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
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裏切り

ミーシャの言葉を理解するのにヴァイオレットは時間を要した

言っていることは理解できる。だが友達だと思っていたミーシャが自分を敵の元まで誘導していたなんて事実をすんなりと受け入れることなどできなかった



『嘘だよね?ミーシャちゃんがそんな事するわけないよね?』

『たかだか数ヶ月一緒にいただけで私の何が分かるっていうのよ。私はね、自分の利益の為なら他人を売ることに躊躇いなんてないの』

『だって私達友達じゃ……一緒に特訓したり街に出かけたりして……』

『しつこい……そう思ってるのあなただけなの。友達と勝手に思われていい迷惑よ。頭も悪いし無神経だし……友達になる要素なんてどこにもないわ』



頭を強く殴打されたような感覚に襲われる。ミーシャがヴァイオレットを見るその目がとても友人を見る目つきではないことから、嘘を言っているわけではないというのが分かった

そんな言葉をぶつけられたヴァイオレットは何か言い返そうと声を出そうとしたが、口に何か詰め込まれてしまったように発せなくなってしまう

これまで騙されていた怒りや悔しさよりもショックの大きさが勝った

その二人の会話を魔法騎士団の一人が遮るように入ってきた



『その辺でいいだろう。あとの始末は我等に任せてもらうぞ』

『王族である王女を狙ったこの者の行いは国家反逆罪に等しい。本来なら公の場での公開処刑だが今この場で執行だ』



魔法騎士団の数は十人程。今いるこの地下水道の場所はそこまで広くない為囲まれる心配はないし全員一斉に攻撃してくるということはない

前方にいる相手だけに集中すればいい上にあの団長もいないのでヴァイオレットにとってはそこまで脅威ではない

だが今のヴァイオレットにそんな事を考える余裕は全くなかった



(気持ち悪いんだよこのブス)

(こっち来んな化物)

(お前なんか誰も友達になってくれるわけないだろ)



(なに……?これは誰……?頭が割れるみたいに痛い)



ミーシャの言葉を受けた時から酷い頭痛とヴァイオレットの存在しない記憶が断片的に頭の中を駆け巡り、そのせいでまともに戦うことができない状態になっていた

思考が纏まらず騎士団の者達が近づいてきていることにも気づいていない

このままでは今度こそ本当に終わってしまう。そんな時ルージュがヴァイオレットを守るように魔法騎士団達の前に立ちはだかった



『グルルルル……』

『そういえばこいつもいたな』

『いくら竜とはいえまだ子供。主を守りながら戦うのは難しいだろう』



(ダメ……ルージュ。逃げて……)



ヴァイオレットのそんな想いとは裏腹に、ルージュは単身で敵に向かっていった



ご拝読いただきありがとうございます!

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