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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
91/342

混乱の渦中

ワイバーンに乗った兵士達に追われているヴァイオレット達は収容所を出て市街地へとやってきた

賑わいを見せている人達の姿を視界に捉える。ヴァイオレットはルージュにそこへ突っ込むよう命じた



『このまま降下して建物の間を抜けてって!』

『あいつわざと人通りがある場所を行く気だな……!』



あれだけの市民がいる中であれば迂闊に攻撃をすることはできない

建物の間をルージュの体格で移動するのは幅がかなりギリギリになってしまうが、そこは信じる他ない

徐々に降下し次第に建物に近づいてくると、人集りがある場所を見つける

そこはどうやら酒場のようだった



『いやぁそれにしてもこの前の騒動には驚かされたなぁ』

『本当にな。魔闘大会で王女様を襲ったていう奴の判決はどうなるんだろうな』

『まだ公表はされていないらしいがまぁまず間違いなく極刑だろう。結果的に王女様は無事だったっていう話らしいが王族に手をかけたとなったらその身内もただじゃ済まないだろうな』

『まぁそれもそうか……ん?なんだあれ。おい見ろよ、なんかこっちに向かって何か飛んで来てないか?』

『は?どこだよ?飲みすぎで幻覚見ちまってるんじゃねぇかお前?』

『違ぇよよく見ろ。あれだよあれ』



顔を赤らめた男二人が凝視した先、そこには人生で初めて見る竜の姿とその背中にたった今話題に上げていた少女がワイバーンに騎乗した兵士達の姿を捉えた

目の前の出来事に頭が理解するよりも早く上空を件の者達が風を巻き起こしながら通過していく



『きゃー!』

『なんだあれは!』

『危ない!伏せろ!』



ルージュの翼の先端が店の看板にぶつかり外で飲んでいる人達の元に落ちる



『ごめんなさーい!弁償は……できないかもだけどとにかくごめんなさーい!』



右へ左へ、街中を所々破壊しながらなんとか逃げ続ける

こちらは危険を承知で速度を落とさず飛行を継続、対する相手は民衆の安全を考慮しつつヴァイオレット達を追わなくてはならなかった為、兵士達との距離は自然と開いていった

そしてヴァイオレットもただ闇雲に逃げているわけではない

頃合いを見計らってルージュに指示を送る



『よしっルージュ、そこを曲がったら姿を小さくして!』

『ギュイ!』



突き当りを曲がったところでルージュに再度体を小さくしてもらい、空からの移動を中断してヴァイオレット達は雑踏に紛れ込んだ

上空に竜が現れたという情報が拡散され今周りは混乱と恐怖が渦巻いている

それに乗じて王都の外に出ようという作戦だ



『あと少し、なんとか逃げ切るよ!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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