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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
90/342

監獄からの脱出

『単騎で突っ込むな!全員で囲んで始末しろ!』

『もう~倒しても倒してもキリがないよ。一体何人いるの?』



一人一人の力は大したことはない。然程広くない屋内だからか、相手も威力のある魔法を使えないようで対処は容易

だが次々とやってくる兵士を前にヴァイオレットは中々前に進むことができなかった

外に出ることができればルージュに大きくなってもらい背中に乗って逃げれるのでなんとかしてこの包囲を突破しなくてはならない



『でもいちいち全員を相手にしてたらまた増援も来ちゃいそうだしなぁ……そうだ!出口がないなら作っちゃえばいいんだ!ルージュ、あの人達が近寄ってこないようにしてくれる?』

『ピュイ!』



一時的にルージュに兵士の相手を任せ、ヴァイオレットは上に人の気配がないことを確認

そして思い切り天井に向かって竜の息吹を放った



『危ない!天井が崩れるぞ!下がれ下がれ!』



天井から落ちてくる瓦礫を避ける兵士達

竜の息吹が放たれた天井からはヴァイオレットの目論見通り上空が見えた



『やった!これで外に出られる!ルージュ!』



ヴァイオレットの声に反応し兵士の相手をしていたルージュが本来の姿へと戻る

大きくなったルージュに一瞬怯んだ隙を突き背中に乗り上空に向かう

追い打ちをかけてくる者達もいたが、空の支配者とも言われる竜相手に攻撃が当てられるわけもなくヴァイオレット達は外に出られることができた



『やった!このまま外に……』



外は既に日が沈んでいる

このまま闇夜に紛れて追手が来ない所まで逃げようとその時、ヴァイオレット達よりも高度がある場所から炎の玉がこちらを襲ってきた

ルージュが咄嗟にそれを片翼で払いのける。炎の玉は爆裂、深手とまではいかないが翼に傷がついた



『大丈夫ルージュ!?』

『ギュイ!』



元気一杯な姿で問題ないことをアピールするルージュ

上を見上げてみるとそこには十数頭の空飛ぶ魔物に騎乗した兵士がヴァイオレット達を待ち構えていた



『あれってもしかしてワイバーン?こんな数の魔物が王都にいたんだ……』



あの警報の後からまだそう時間は経っていない

なのに迅速な対応で外に出た場合の事にまで対処してくるということは相当訓練されているのだろう

ワイバーンは竜よりも知能が低く気性も荒いが、一度手懐けてしまえば従順そのもの

竜の息吹程ではないにしても先程のような炎の玉を放つという飛び道具もある為油断はできない



『一斉放射だ!あの竜諸共撃ち落とせ!』

『わわわわ!ルージュ避けて避けて!』



四方八方から襲いかかる炎の玉、逃げるどころかそこから抜け出すこともままならない

その上ルージュはまだ幼竜。これが仮にイグニスであればかすり傷にもならない攻撃だが、まだ成長途中であるルージュがこのまま食らい続けていたら流石に危うい

この局面をどう乗り切るか考えたヴァイオレット、そこにちょうど明るい町並みが視界に入ってきた



『そうだ!ちょっと危ないけど……ルージュ!急降下!』

『ギュイ!』

『なんだ?降下したら下の奴等と我等の両方から攻撃されるというのに……とにかく追え!』



ご拝読いただきありがとうございます!

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