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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
88/342

脱獄

『さて、ここからどうやって出ようか……』



普段の力を出せればここから脱出するのは容易だ

だがこの枷のせいでまともに力を振るうことができない

見張りも交代制で常に監視されている為変な動きをしたらすぐに勘づかれてしまう

残された猶予はそれほどない。この状況でどうやってこの場から脱出できるのかとヴァイオレットが苦悩していると、突然出入口の扉が開いた

しかし扉が開いただけで誰かが入ってくる様子はない



『なんだ?まだ交代の時間には早いよな』



確認しに見張りの兵士が扉の方へと歩いていく

扉の先の様子を確認する兵士、だが周囲を確認してもそこには誰もいないようで扉を閉めた後不思議な顔をして戻って来た



『おかしいな……独りでに開くような扉じゃないんだが』



戻ってきた兵士が再び椅子に座り直す

すると次の瞬間、金属音のような音が聞こえたと思ったら兵士が装着していた兜を吹き飛ばされその場に力無く倒れていた

何が起こったのかと周りを見渡してみると、そこにはヴァイオレットの従魔ルージュの姿があった



『ルージュ!』

『ピューイ!』



ヴァイオレットと目が合うと鉄柵の間をすり抜けてヴァイオレットの胸元に飛び込んでくる

どうやら自身の体を限界まで小さくしてヴァイオレットを助けにここまで侵入してきたようだ

ヴァイオレットとルージュは従魔契約によって魔力の繋がりで自分のいる場所を共有することが出来る

すぐ来ることが出来なかったのは恐らくこの枷のせいで一時的にそれが封じられていたのだろう

きっと無理矢理枷から逃れようとした時、気絶する直前僅かに魔力が漏れ出たのをルージュが察知してくれたのかもしれない



『ルージュ、これ壊すことできる?』

『ピュ?ピュイ!』



枷を壊すよう促すと、ルージュへ鋭い尻尾の一撃を枷に食らわせる

枷をされている者には強力な力を発揮するがようだが、外側からの力には弱いようで簡単に破壊することができた

枷が外れると今まで襲われていた脱力感が嘘のように無くなった



『ありがとう、助かったよ。早くここから逃げよう!』



とはいえ正面からバカ正直に突っ込む訳にはいかない

可能な限りバレずに脱出するにはどうするか考えると、先程ルージュが倒した兵士が目に入ってくる



『そうだ、あれを使えば!ルージュあの人の腰にある鍵を持ってきて』

『ピュイ』



何かを閃いたヴァイオレットはルージュに鍵を取ってきてもらいそれで牢を開ける

そして兵士が身に着けていた甲冑を脱がし始めた



『悪く思わないでね。無事にここを抜けられたら脱いでそこら辺に置いておくからさ』



ご拝読いただきありがとうございます!

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