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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
86/342

濡れ衣

エリザを手にかけた証拠

男の一人が自信ありげにそう述べたが、当然ヴァイオレットにはそんなもの心当たりはない

それは老人も同様のようで、証拠があるなど初耳だというような顔をしていた



『王女殿下を手にかけた証拠があるなど聞いていないが?』

『事前に報告出来ず申し訳ない。何分昨日の今日でしたので報告が上がってきたのがつい先程だった為全員に情報を共有することが出来ませんでした。ですがこれはこの者が王女殿下を襲ったという確かな証拠となります。どうか証拠提示の許可を』

『ふむ……分かった許可しよう』



証拠なんてあるわけない。何故なら何もしていないのだから

だがあの男の自信たっぷりな表情には不信感を覚えた

かといってここで証拠の提示を自分が拒むことは不可能なので見守ることしかできない



『ありがとうございます。ではこちらをご覧下さい。おい入れ』



男が指を鳴らすとそれを合図にやって来たもう一人の人物、その者の手には白い布に包まれた物が握られていた

そしてその布を広げていくとそこから十センチ程はある血が付着し先端が尖った棒が出てきた



『それは?』

『会場の外にあった露店で使われていた鉄製の串です。こちらが殿下を襲撃した凶器になります。この凶器は試合会場の床の下に隠されており、調べたところ被告人と同様の魔力反応を僅かに感知したそうです』

『待ってなにそれ!私そんなの使った覚えがないよ!』

『いくら喚こうと構わないがこの事実は覆らないぞ』



確かに露店で串焼きを食べはしたが、食べた後はきちんと全て返した

明らかにヴァイオレットに罪を擦り付けようとしている者の差し金だ



『ふむ……しかしそうなると動機が分からぬな』

『そこはこれから調べ上げていけばいいでささょう。ですが事前に申請もしていない凶器となり得る物で心臓を一突き……明確な殺意はあったことは十分証明できたでしょう』



淡々とヴァイオレットにとってまずい方向へと進んでいく

このままでは本当に無実の罪を被せられてしまう

そんなの冗談ではない

黙っていた方が良いかと思ってこれまで大人しくしていたが、こうなってしまったら話は別だ

ヴァイオレットは自らの拘束を解こうと無理矢理魔力を込めようとする



『ふぬぬぬっ!』



力が抜けていく感覚に襲われつつもそれに反発するように力を込める

だがそこで突如ヴァイオレットに異変が起こり、段々と目の前が霞んでいった



『その枷の拘束から無理矢理逃れようとすると強制的に眠らされるようになっているんだ』

『そ……んな……』

『逃げようとするなんて馬鹿な奴だ』



その言葉を最後にヴァイオレットの意識は途絶えた



ご拝読いただきありがとうございます!

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