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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
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報復

ヴァイオレットとメアリーの試合は傍から見ればヴァイオレットが一方的に試合を有利に運んでいるように感じるだろう

しかし実際にはヴァイオレットの方が苦戦しているのが現状

いくらメアリーに傷を与えても一瞬で吸収されてしまいなかったことにされてしまい、どうしたものかと考えあぐねていた



『さぁ、もっと私に痛みを』

『うーん困ったなぁ』



いかに他者より膨大な魔力を有しているヴァイオレットでも永遠に戦えるというわけではないので、このまま試合が長引くのはこの先の事を考えると望ましくない

メアリーは攻撃を受けているだけで一向に反撃をしてこない。恐らく彼女がここまで勝ち上がってきたのは相手が倒し切ることができず魔力切れを起こしたりして降参を余儀なくされたからだろう

メアリーの体中にあるあの縫われた傷、この大会で負った傷ではないようだが傷があるならなんならかの攻略方法はあるはずだ

試合をしっかりと見ていれば対策を練れていたのかもしれないが、今それを考えても仕方がない



『とにかく攻撃あるのみだよね』

『いいわ、全部受け止めてあげる』



今までのような弱い魔法でチマチマ攻撃してもすぐ吸収され傷が癒されてしまう

それならもっと強い魔法を連続で浴びせるだけ

とはいえ人間相手だとどうしても加減しなくてはいけないのが面倒なところ。これが魔物相手なら殺して終わりなのだが……

ヴァイオレットは思い切りと言いつつもやはり制限をかけざるを得なかった



『じゃあいくよ。拳に魔力を込めて……ショックブロー!』



体の内側に衝撃を与え骨や臓器に直接ダメージを負わせる攻撃、その攻撃を食らうとメアリーの口から盛大に血が吹き出る



『まだまだ!アクアプリズン、タイフーン、落雷(ライトニング)!』



水の牢獄と暴風で渦を発生させ、そこへ雷を落とす

更に追撃でショックブローを連打で食らわせていく

一分以上ひたすらメアリーを容赦なく殴り続ける

常人ならば骨と臓器がグチャグチャになっているだろう

攻撃を止めると同時に倒れるメアリー

暫く様子を窺っていると、メアリーは平然と立ち上がってきた



『これでもダメかぁ』

『今のは良かったわぁ……!体の内側から壊される痛みを感じたのは初めてよ』



血を垂らしながらそう言うメアリーの顔は狂気に満ちていた



『もっと私に痛みを……と言いたいところだけどもう終わりにしなくてはいけないわね』

『どういうこと?』

『私がただ自分の快楽の為にあなたの攻撃を受けていると思ってた?』

『うん』

『まぁ半分はそうなんだけど。その様子だと私の試合は見ていなかったようね。なら教えてあげる。私のこの固有魔法は相手から受けた攻撃を吸収するだけじゃないの。蓄積されたダメージを対象に与えることができるの』



ヴァイオレットがメアリーの言葉を理解するよりも早く、ヴァイオレットの全身にとてつもない激痛が走る



『あなたからこれまで受けてきたダメージ、そっくりそのままお返しするわ”報復(リベンジ)”』



ご拝読いただきありがとうございます!

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