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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
77/342

痛みを感じる悦び

『さぁ最終日もいよいよ後半戦に入ります!続いての試合はこちら!』



ヴァイオレットとメアリーが入場

この試合とあともう一つ勝てば決勝に進みエリザと戦うことができる

エリザの対戦相手もきっと一筋縄ではいかないだろうが、決勝まで勝ち上がってくるだろうとヴァイオレットの直感が告げていた



『それでは……始め!』



ヴァイオレットは開始の合図と同時にメアリーに向かって突っ込んでいく

それに対し相手は開始地点から動かないまま

何かの作戦だろうかと勘ぐりつつもヴァイオレットは敢えてその作戦に乗ってやろうとそのまま攻撃を繰り出した

メアリーは目の前まで迫ってきても微動だにしない。そして何か起こることもなくヴァイオレットの拳はメアリーに直撃した



『えっ?』



メアリーは吹き飛ばされると受け身もとらず派手に倒れた

殴った感触もしっかりあったし間違いなくヒットしている

あれだけ大口を叩いておいてまた一撃で決まったのかと思ったその時、倒れていたメアリーが何事もなくスクッと立ち上がった

挨拶代わりの一撃とはいえ全くダメージがないことにヴァイオレットは違和感を覚える

よく見ると先程殴った場所の傷が無くなっていた



『私のこの魔法は固有魔法でね、相手から受けた傷を吸収してしまう魔法なの。けど痛みまでは吸収できない。中途半端な魔法よね。でも私にとっては最高の魔法なの。だって好きなだけ痛みを味わうことができるんだもの!』

『か、変わったご趣味をお持ちのようで……』

『痛みは生きている証拠よ。この痛みが私に快感を与えてくれるの』



メアリーはそう話している最中も恍惚の表情を浮かべていた

ミーシャが言っていた言葉の意味、ヴァイオレットが試合前に感じたあの感覚はこれだったのだと今のやりとりでハッキリと理解することができた



『あなたの力、こんなものじゃないでしょ?もっと私を楽しませてよ』

『やっと面白くなってきたね。それならお言葉に甘えて久しぶりに思いっきりいかせてもらおうかな』



ヴァイオレットはそう言うや否やメアリーの元まで一瞬で距離を詰める

そして相手の懐に潜り込み容赦なく顎に一撃を入れる

その衝撃でメアリーは上空へと飛ばされるが、先程と同様攻撃を受けるだけで反撃はしてこなかった



『ヘルファイア!』



上空にいるメアリーに続けて炎の魔法を浴びせていく

ヴァイオレット達が戦っているフィールドには観客の身を守る為に結界が張られていて、メアリーはその結界と攻撃に挟まれる形で宙に浮いている状態になっていた

これでもかというほど魔法を撃ち続けた後、ヴァイオレットが攻撃を止めるとメアリーは力無く地面に叩きつけられた



『どうかな?少しは効いた?』



倒れているメアリーに向かって語りかけると、メアリーの傷はまた綺麗に消えていき何事もなく立ち上がる

表情を窺うとそれはもう不気味に思える程悦に浸っている様子だった



『いいわぁ……!ここまでの痛めを与えられたのは久しぶり。あなたなら私を満足させてくれそうだわ』

『どんでもないのに当たっちゃったなぁ……』



ご拝読いただきありがとうございます!

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