表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
魔法学校編
73/342

試合後の二人

突如シェリアを襲った謎の生物、その正体は狐の姿をした魔物だった

その魔物には見覚えがあり、以前従魔召喚を行った時にミーシャが召喚したあの魔物で間違いない



『ミーシャの奴、一体いつ従魔を召喚していたんだ?というかあの魔物はどこから現れたんだ』

『あの魔物はシャドウフォックス、影の中に姿を隠して奇襲を仕掛けてくる魔物ね。恐らく最後闇雲に投げていたように見えたあの床板、あの瞬間に従魔を召喚して床板の影に潜ませシェリアに接近させていたのよ。それで相手の意識が完全にミーシャに向いた時を狙ってシェリアを襲わせたのね』



シェリアが呪詛魔法を発するよりも早くシャドウフォックスの牙はシェリアの喉元といつでも噛み千切れる準備が出来ており、フィオーレも手出しができない

この展開を想定できていなかったシェリアにここから挽回する手はなく、降参の意志を審判に伝えた



『私の……負けです』

『勝者!ミーシャ・オルネシア!』



試合は圧倒的にシェリアの方が優位に進んでいたが、一瞬の隙が今回の勝敗を分けることとなった

試合に勝利したものの重傷度ではミーシャの方が酷かった為ミーシャは医務室へ

ヴァイオレットは先に敗北してしまったシェリアの元へと行くことにした



『シェリアちゃん』

『アッ……』

『あんな魔法使えるなんて凄いね!結果は残念だったけど……シェリアちゃんも強かった!』

『…………』



励まそうとしているヴァイオレットに対して口をパクパクとして何かを伝えようとしているシェリア

緊張して声が出ないような素振りをしているが、以前のそれとは違うように見えた

シェリアは困った挙句ヴァイオレットに耳を貸すようジェスチャーで促した



『どうしたの?』

『ゴニョゴニョ……』

『えっ?久しぶりに大きな声を出したから声が出なくなっちゃった?』



ヴァイオレットが聞き返すとシェリアは小さく頷く

普段出さないような声で相手に伝えなくてはいけないので、あの魔法を使用した後は毎回声が出なくなってしまうらしい

シェリアを励まそうとしていたが、本人はそこまで落ち込んでいる様子はなかった



『自分なりに出し切ったつもりだから?そっか、お疲れ様シェリアちゃん』



シェリアと合流した後共にミーシャがいる医務室へと向かった

中に入ると既に治療を終えたミーシャがベッドに座っていた



『ヴァイオレット、それにシェリアも』

『ミーシャちゃん、決勝進出おめでとう』

『……!』

『?シェリアはどうしたの?』

『思い切り声を出したから声が出なくなっちゃったみたい。ありがとうございましただって』

『そうなの、こちらこそ。殆ど負けてたようなものだけどね』

『最後まで諦めなかったからだよ。二人共凄かったよ』

『まぁ反省するのは決勝が終わってからね。恐らく次の相手はアレクでしょうし気合いを入れ直さないと』



反対のブロックにいたアレクもまた全ての試合を無傷で勝ち上がってきている

決勝もきっと厳しい試合になるはず。シェリアとの試合でかなり疲労しただろうし今は少しでも回復に努めた方が賢明だろう

そう思っていたが、医務室にやってきたレイナの報告でヴァイオレット達の予想は裏切られることとなった



『大変よ!アレクが試合を棄権したわ!』



ご拝読いただきありがとうございます!

ブクマ、評価感想等々頂けると励みになります

隔日投稿していますのでよろしければ次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ