尾行してみた
町でエリザとアレクを見つけたヴァイオレット達は、普段見かけないような場所で見つけた人物の動向が気になったイースの提案で尾行し観察することに
『あむあむ……ん~♪この串焼き美味しい~!』
『こいつ……一人で何本も頼みやがってぇ。お陰で財布はスッカラカンだよ』
『ヴァイオレットの食事に対する意欲は凄いって普段から分かってたことでしょ』
『はぁ……まぁ仕方ない。それ奢ったんだから大人しくしてろよ』
『ふぁ~い』
大量の串焼きを頬張り両手で抱えながら尾行する様子を見守るヴァイオレット
しかし二人は適当に町をブラついては目についたお店に立ち寄るを続けるだけで、イースが期待するような事態には中々発展しなかった
『お店の人と何か話をしては買って立ち去るだけ。なんか思ってたのと違うなぁ』
『飽きたならもう行きましょ。私達もお腹減ったし』
『いや待て!路地裏の方に入っていったぞ。何かいかがわしい事をするに違いない!』
二人が入っていた路地にヴァイオレット達も入っていく
だがそこにはエリザ達の影はなかった
『あれ、確かにこの路地に入っていったのを見たんだけど……どこに行ったんだ?』
『なに?見失っちゃったの?』
突然姿を消してしまった二人の行方を探すイース達
するとその背後から声をかけられる
『尾行だなんて関心しませんね』
『わぁっ!?』
『あっ、王女様』
『あ、あれ?さっきまで前にいたのにどうして背後に?』
『人の視線には敏感ですからね。最初から気づいていましたよ』
『あーえっと……すみませんでした!』
言い逃れ出来ないと悟ったイースはエリザに平謝り
よくよく考えたら、いやよく考えなくても王女を尾行だなんてかなりまずい行為だ
檻の中に放り込まれても文句は言えないだろう
エリザからどんな事を言われるのかとビクビクしながら待っていると、意外な言葉が返ってきた
『よければ一緒に見て回りますか?』
『えっ?一緒に?』
『えぇ、せっかくこうしてお会いしたのですからお邪魔でなければ』
『じゃ、邪魔だなんてとんでもない。私達でよければ是非』
『ありがとうございます。今は一市民としているのでここではエリーとお呼び下さい』
『では私はアレンと』
『は、はぁ……』
二人を尾行した結果、裏をつかれて尾行した事を追及されるのかと思いきや同行を申し込んできたエリザ
いけない事をした後ろめたさと王女からの申し出を断る事が出来ず、ヴァイオレット達はエリザ達を行動を共にすることにした
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